国際

鳩山論文への態度に見るアメリカ人の傲慢さ

ふだん引用しない読売新聞からまず記事を引用しておきたい。 民主・鳩山氏「米紙論文、反米ではない」 鳩山代表は31日、党本部で記者団に対し、米国のニューヨーク・タイムズ紙に掲載された鳩山氏の論文が米国内の一部から批判されていることについて、「…

イラン情勢の行方

などと書いても、別に当方に特別な情報源があるわけではない。ただ、今回の大統領選と、それに伴って起こっている騒ぎとを見て思うことを記しておきたいだけである。 その思うこととは、要するに、今イランは宗教者を最高指導者とする政治体制をとっているが…

イスラエル軍の撤退なくして真の停戦とは言えない――ガザ情勢

ガザ情勢に関しては既に本ブログでも触れたところだが、ここへ来てイスラエル側が「一方的停戦発表」を行なったとのこと。朝日新聞の記事をまず引用しておく。 イスラエル、一方的停戦発表 限定的攻撃は続く 2009年1月18日21時1分 【エルサレム=井上道夫】…

今やホロコースト加害国となりつつあるイスラエル

私は反ユダヤ主義者では全くないし、そもそも日本は歴史上ヨーロッパに根強く存在した反ユダヤ主義と無縁な国だが、そう言った上で、表題に書いたことを今や言わないわけにはいかなくなった。これでも、「今やホロコースト加害国となりつつある」というのは…

中国の空母建造には抗議をすべき

中国が国産空母を建造するという話は数日前からニュースになっていたが、どうやらそれが本格的に着手ということになるようである。末尾に朝日新聞の記事を掲げておくことにする。私は、軍事問題については全くの素人だが、しかしこのニュースについては一言…

これからこそが大変なアメリカ――オバマ氏の次期大統領当選を受けて

大方の予想どおり、民主党のオバマ候補が次期大統領に当選した。その当選の歓喜から一夜明けてだが(これを書いている現在は11月6日)、既にいろいろな人が書き始めているのと同様、私も、アメリカはこれからこそが大変であるということを強調しておきたく…

次期米大統領はオバマで決まり――そして日本は自主独立の政治、独自外交を進めるべき

つい先日「当方は予想屋ではない」と書いたばかりなので、こういうことを書くのは明らかに矛盾しているが、まあ論理矛盾というような話ではないので、この程度は許すことにする。ともあれ、次期米大統領はオバマで決まりである。すべからくアメリカ人はオバ…

日本の外交の完全な失敗――アメリカ、北朝鮮のテロ支援国家指定を解除

既に日が経っているニュースだが、その重要性に鑑み、本ブログでも一言しておきたい。アメリカが北朝鮮に対して圧力をかけてくれることを期待して、つまり他力本願で、組み立てられていた日本の対北朝鮮外交が、完全に失敗したことを今回の出来事(指定解除…

アメリカの未曾有の金融危機を受けて、どうするべきか

例によって断り書きから始めるが、私は経済学部の範疇に入る学部を出はしたが、市場原理至上主義を掲げ思想的に偏向しているいわゆる近代経済学などは全く学ぶ気にならず、ひたすらそういう授業を避け続け、ほうほうの体で卒業した口である。よって、経済に…

グルジア情勢のインパクト

もとより私はグルジアに関しても国際問題一般に関しても基本的に不案内なので、以下に書くことは単なる一個人の雑記以上のものではない。という自明のことを一応断った上で書くと、今回のグルジアとロシアの武力衝突をめぐる各方面での様々な動きは、今回の…

極めて懸念されるグルジアとロシアの間の武力衝突

かねてからグルジアとロシアの間では、グルジアの西端に位置するアブハジア、及び今回武力衝突の舞台となった南オセチアをめぐって、争いがあったが、極めて懸念すべきことに、このほど争いが武力衝突にまで発展してしまったようである。朝日新聞では記事が…

なお疑問は残る――ダイアナ元皇太子妃の死因をめぐる裁判、結審

まず朝日新聞の次の記事を引用しておく。 ダイアナ元妃は「事故死」 10年後、ようやく評決 2008年04月08日10時22分 【ロンドン=土佐茂生】1997年にパリで事故死した英国のダイアナ元皇太子妃(当時36)の死因を究明するロンドン高等法院の審問で、…

やはり期待すべきはオバマ大統領――米国大統領選の行方

という表題を掲げたものの、最初に書きたいのは、アメリカの大統領選については、我々日本人はもう少し突き放した見方をするほうが良いのではないか、ということである。こう思ったのは、以前に本ブログで米大統領選に関する記事を書いた数日後に、民主党の…

「チベット問題、対応苦慮する福田政権」――なぜ苦慮する必要があるか?

今しがた目についた朝日新聞の記事の見出しをそのままタイトルに引用したわけだが、この記事で言われていることは全くおかしい。まず引用して、しかる後に批判を加えることとしたい。 チベット問題、対応苦慮する福田政権 2008年03月21日21時17分 中国チベッ…

日韓関係の大幅な改善のチャンス――李明博氏、韓国大統領に就任

数日前のニュースだが、その重要性に鑑みここで取り上げておきたい。まず、李明博氏の韓国大統領就任を報じた朝日新聞の記事は以下のとおり。 李明博氏、韓国大統領に就任 経済再生を最重点課題に 2008年02月25日15時02分 韓国の新大統領に25日、李明博(…

食の安全を言うのなら――米国産狂牛病肉の問題

今日のニュースはイージス艦が漁船に衝突した事件で占められた感がある。漁船乗組員の安否が気遣われるので、まずは人命救助、そしてしかるべく原因究明などが行なわれるべきことは改めて言うまでもない。 ただ、これは持続的な影響を有する問題とは思われな…

民主党大統領候補選びの行方

と言っても、標記の件に関して筆者ごときに何か特ダネがあるわけではない。単に、政治の革新ということから言うなら、インパクトがあるのはやはり、クリントンよりもオバマが候補になることだろう、ということを書きたいにすぎない。 たぶん私はマイケル・ム…

日本もオーストラリア並みに――首相を落選させて政権交代を――

既に報じられているところだが、オーストラリアで米国追従のハワード政権が選挙に敗れ、政権交代が起こるらしい。おまけに、当のハワード首相自身が落選したという。これについては、移民に対するハワード氏自身の発言にも問題があったとのことで、単に政権…

ミャンマー当局によって殺された日本人ジャーナリスト

ここ数日ミャンマーの情勢が緊迫しており、政府が軍隊を動かして僧侶たちなどの弾圧に乗り出している。その中で、日本人ジャーナリストの長井健司氏が兵士の銃撃によって殺害された。 まずはその殺害の瞬間を記録したビデオへのリンクを2つ掲げておく。 <S…

アメリカの狭量さの証し――米コロンビア大学でのイラン大統領の「歓待」の仕方

イランが反イスラエルの立場を取っていることは明白であり、そのイランが核利用を進めつつあることは、将来イランが核兵器を開発してイスラエルに対して使用することにつながるのではないか――イランの核利用(或いは核開発)に対する欧米の批判はこういうと…

イラク問題を解決させるための方法

(本ブログで[政治]というジャンルに分類するのは基本的に国内政治に関する記事のみだが、イラク問題は、テロ特措法との関連などから見ても、単なる国際社会の問題だとは言えない、国内政治にも大いにかかわる問題だと言える。あえて今回の記事を[政治]関連…

北朝鮮問題で始まっている「日本外し」

今日の記事は朝日新聞のこれと毎日新聞のこれだが、まず朝日新聞のから引用しておくと 朝鮮半島の平和協定協議は「初期段階後」に ヒル氏言及 2007年06月26日13時27分 北朝鮮核問題の6者協議で米首席代表を務めるヒル国務次官補は25日、国務省で記者会見…

バチカン図書館の閉鎖と、文化遺産「保存」のあり方

或るメーリングリストからの情報で知ったが、来たる7月14日からバチカン図書館が、少なくとも向こう3年の間閉鎖される予定だという。寝耳に水とはこのことだが、まず情報の出典を示しておくと、このページの上の方に 「The Vatican Library will be closed…

イラク反戦母の撤退宣言

速報を行なうのは本ブログの使命ではないが、このニュースは日本ではまだあまり知られていないかもしれない。Democracy Now!のDAILY EMAIL DIGESTによって知ったのだが、アメリカにおけるイラク反戦活動の象徴的存在だったシンディー・シーハン(Cindy Sheeh…

アメリカの対イラク軍事攻撃がはらむ、もう一つの問題性−−「傭兵」ないしは「戦争の民営化」

本ブログでは時々ビデオニュース・ドットコムの番組(主にいわゆる「マル激」)をとりあげているが、言わばそのアメリカ版とでも言うべきものとしてDemocracy Now!というのがある(むしろ、これを日本で真似したのがビデオニュースなのかもしれない)。 この…

アメリカの対イラク政策への支援継続に異議あり

以前に本ブログでは、まがまがしきチェイニー米副大統領の来日に対して反歓迎の意を表しておいたが、残念ながらチェイニーは日本に来てしまった。世界政治の鼻つまみ者が日本政治の鼻つまみ者と会談をして、何の良いことが出てくるはずもないが一応、という…

エネルギーをめぐる2つの動き

2つの記事をとりあげたい。1つは「日本撤退のアザデガン油田開発、イラン高官が復帰を期待」、もう1つは「日本政府がインドの核保有容認へ、経済関係を優先」である。 イランをめぐる問題については、本ブログでもこれまでに2度、「アザデガン油田開発の…

アメリカの猿芝居の果てに−−フセイン元大統領の処刑

大義の全くない、アメリカによる軍事攻撃で幕を開けたイラクの混乱だが、サダム・フセインの処刑がその混乱の収拾に一役買うというようなことはまずありえないのではないか。 言うまでもなく、「イラク戦争」などという言い方は全く的外れである。現実にあっ…

Democracy Now!の記事から(スコット・リッター)

「Democracy Now!」というニュースサイトは、カストロやチャベスが出てくると何やら無性にありがたがる気味がなくはない、つまり左翼系のサイトであることは間違いないだろう。その傾向を踏まえて利用しなければなるまいが、とはいうものの時々面白い番組を…

南米版EUへの動き?

<南米12カ国の相互観光、パスポート不要に>http://www.asahi.com/international/update/1128/024.html という記事が目についた。一部引用すると ロイター通信などによると、南米の各国民は、それぞれの国で有効な身分証明書を持っていれば、観光目的の9…