2006-01-01から1年間の記事一覧

アメリカの猿芝居の果てに−−フセイン元大統領の処刑

大義の全くない、アメリカによる軍事攻撃で幕を開けたイラクの混乱だが、サダム・フセインの処刑がその混乱の収拾に一役買うというようなことはまずありえないのではないか。 言うまでもなく、「イラク戦争」などという言い方は全く的外れである。現実にあっ…

メディアとしてのインターネットの得手・不得手

「マル激300回記念特別番組 2006年これだけは言わせろ!」の狙いは、私の理解が間違っていなければ、今のところまだ裏メディアに留まっているインターネットが、表メディア(要するに、テレビ・ラジオ)の究極の形である生放送という点で、表メディアのお株…

「マル激」にいつも感じるちぐはぐさ

「マル激」を見ていつも感じるちぐはぐさが、今回もまた表に出ていた・・・これが、第299回のマル激トーク・オン・ディマンド<今年残された課題 2006年総集編>を見て思ったことである。ちぐはぐさの由来はもちろん明らかで、片や、生真面目に政治を批判し…

先の国会での教育基本法参議院審議(12月14日)をめぐって

ここで書いておきたいのは、参議院の教育基本法に関する特別委員会での上記審議の中で、民主党の櫻井充議員が行なった質問についてである。国会質問を政党で見た場合、最も優れているのが共産党だというのは周知の事実だが、民主党の櫻井議員の質問は共産党…

Democracy Now!の記事から(スコット・リッター)

「Democracy Now!」というニュースサイトは、カストロやチャベスが出てくると何やら無性にありがたがる気味がなくはない、つまり左翼系のサイトであることは間違いないだろう。その傾向を踏まえて利用しなければなるまいが、とはいうものの時々面白い番組を…

戦場を描かない戦争映画

映画評など書く柄ではないが、しかし、今GyaOでやっている映画<エンド・オブ・オール・ウォーズ>(このリンクも参照)は大変良かった(12月22日昼で終了)。以下、ネタバレになるが、まず粗筋を、次に感想を、書き留めておきたい。 捕虜収容所で日本軍が、…

Winny開発者に対する有罪判決の意味

数日前の話題だが、やはり看過できない重要な出来事なので、ここで振り返っておきたい。まず、判決の記事及び関連記事を掲げておく。 1 ウィニー事件:開発者に有罪、罰金150万円 京都地裁「著作権侵害に利用認識」 2 ウィニー事件:京都地裁有罪判決 …

敗北を噛みしめて−−理念の重要性

さまざまな人の願い・怒りも空しく、教育基本法改悪案が議会を通過してしまった。現行教育基本法を守ろうとした人々の完全な敗北である。 言うまでもないが、「敗北」を「敗北」と認識することそれ自体は、敗北主義でもなんでもない。敗北主義とは、まだ事が…

立法府の役割−−特に、議長の役割

最終盤にある今臨時国会では、教育基本法改正政府案の採決をめぐって、現在与野党の協議が続いている状況のようである(http://www.stop-ner.jp/を参照)。 ここで想起されるのは、今年前半の通常国会でぎりぎりの審議・やりとりが行なわれた、共謀罪創設法…

教育基本法改正−−少なくとも強行採決だけは論外

教育基本法改正政府案が採決されるかどうかが大詰めに来ている。次の情報によると明日14日に採決だという。 「石田日記」http://homepage2.nifty.com/ishidatoshitaka/diary.html 「教育基本法:改正案、14日に参院特別委で採決」http://www.mainichi-msn.…

見苦しい、みっともない石原都知事は退陣せよ

もう時期遅れの話題と思われるかもしれないが、しかし都知事選はまだ来年の話であり、こういう話題は書いておいた方が良いと考えた次第である。 石原都知事は、自分が豪華ホテルに泊まったり無意味な出張旅行を行なうだけでは飽き足りず、自分の四男の旅行を…

改めて教育基本法改正問題について

といっても、具体的にここで書くのは、ビデオニュース・ドットコム「マル激」の最新番組 <教育基本法と愛国心のふぞろいな関係>http://www.videonews.com/on-demand/291300/000942.php についての感想である。やはり3時間を超える番組は見るべきでない、…

「ワーキングプア」の本当の問題

NHKスペシャルで放映された「ワーキングプアⅡ 努力すれば抜け出せますか」が話題になっている。こういう番組の放映には何ら異存はない。どんどんやると良い。ただ、こういう番組を見て一抹の嘘くささを感じるのは私だけだろうか。 どこに嘘くささを感じる…

インターネットが作り出す社会構造

講談社のWebサイトでMouRaというのがあり、などと言わなくとも多くの人は知っているのだろうが、このMouRaを使って、インターネット上でどういう出版事業が営利的に成り立つかという点に関していろいろな実験が試みられているようである。社運を賭けた試みな…

巨大与党をつくってはならない理由

社民党の辻元議員のブログを見て初めて知ったが、いわゆる造反議員が自民党に復党したことによって、衆議院で社民党の議員が「国土交通委員会など、合わせて4つの委員会に出席できなくなってしまう」らしい。 http://www.kiyomi.gr.jp/blog/2006/12/05-1116…

節操のかけらもない自民党

論評に値しないことだが、あえて批判しておきたい。まず <自民、郵政民営化反対組11人の復党を正式決定>http://www.asahi.com/politics/update/1204/013.htmlという記事の中から。 まずは安倍の発言だが、 首相は世論の反発が強いことについて、首相官邸…

露骨な見せしめをする自民党

下に書いた「節操のかけらもない自民党」の続きだが、これほど露骨な見せしめもないだろう。次の記事である。 <佐藤、片山両氏を党が処分 委員会採決無断欠席で>http://www.asahi.com/politics/update/1204/005.html 自民党の片山さつき、佐藤ゆかり両衆院…

民主主義の基礎の危うさ

誤解のないようにまず書いておくと、本ブログの今回のテーマは、民主主義がいかに壊れやすい土台に乗っているか、それを改めて考えるということである。民主主義は危険思想だなどというようなことを言いたいわけでは無論ない。 こういう話を書く気になったの…

虚業としての政治という感覚

刑務所が福祉施設代わりになっているという話はちょっとしたショックだった。 <「服役囚の4分の1が知的障害者」が意味するもの>http://www.videonews.com/on-demand/291300/000936.php 遅ればせながら、山本譲司氏の本を読んでみたいと思わせられた。主流…

安倍政権の成長重視の経済政策の根本的誤り

経済政策や労働政策に関して今後を展望する上で重要な方向性が、ここへ来て次々と打ち出されてきている。以下、目についた記事(下で引用)の見出しを掲げると、 <派遣労働者の直接雇用、政府の義務撤廃を検討 経財会議> <企業優遇鮮明に 政府税調答申、…

こんな法改正があってよいのか?

自分の不明を恥じるほかないが、防衛庁省昇格法案の衆議院通過を報じる記事を読んでもなお、その意味がわかっていなかった。疑問が解けたのはようやく、今回衆議院を通過した法案の中身を見てからだった。とんでもない法案、法改正だったのである。 例えば、…

やはり極めて危険な安倍政権

日本の政治が風雲急を告げている中で、昨日は外国の話などにうつつを抜かしてしまったが、今の国会での問題法案の審議状況に接して、改めて安倍政権の危険さを思わずにはいられない。 もちろん私ごときにさしたる情報源などあるはずもないが、例えば共謀罪創…

南米版EUへの動き?

<南米12カ国の相互観光、パスポート不要に>http://www.asahi.com/international/update/1128/024.html という記事が目についた。一部引用すると ロイター通信などによると、南米の各国民は、それぞれの国で有効な身分証明書を持っていれば、観光目的の9…

見苦しい政治屋連中

昨年の通常国会で郵政民営化法案に反対して自民党を離党することを余儀なくされ、その後2005年9月の総選挙で無所属で当選した議員12人が自民党への復党を願い出、そのうち平沼赳夫氏を除く11人が復党を認められることになったという。実に馬鹿げた騒ぎであ…

教育基本法改悪の採決を止めるには

このテーマもまた、社民党保坂議員のブログに触発されて掲げることにした。まず、議員におかれては、議論の場を提供することよりむしろ、国会の状況を伝えることに注力していただきたいと願う。国会の状況をすばやく知る手立てが(マスメディアを含めて)他…

「美しい国」というスローガンのどうしようもなさ

「美しい国」について論じると言っても、私は例の安倍の新書などはもちろん読んでいないし、読む必要は認められない。ここで問題にしたいのはあくまで、キャッチフレーズとしての「美しい国」のどうしようもなさである。 まず、政治目標として「美しい国」な…

いじめ問題にいかに対処しないか

こういうタイトルで一つ書いてみようと思い立ったのは、よく見させてもらっている社民党保坂議員の次のブログを見たからである。 <「いじめをなくそう」スローガン禁止(太田総理)について> http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/314e4b783703c8e997f4c964…

選挙で野党が勝つにはどうすればよいか

与党と野党が総力戦で激突した沖縄県知事選は与党候補の勝利に終わった。次の分析によると、 「経済活性化」56%が望む 「基地」の倍 沖縄知事選 http://www.asahi.com/politics/update/1120/002.html 「新しい知事に最も力を入れてほしい点」を質問したと…

 教育基本法改正問題をめぐる数々の不見識(3)加藤紘一氏の考え

まず誤解のないように言っておかなければならないが、私は、自民党の政治家の中で最も優れた見識の持ち主は、ほかでもない加藤紘一氏だと思っている者の一人である。しかし、だからこそ、以下に紹介する、教育問題に関する氏の発言の中に見られる不満足な部…

 教育基本法改正問題をめぐる数々の不見識(2)産経新聞の社説(11月16日づけ)

別名「御用新聞」である産経新聞に見識を求めることなど、そもそも間違っているのかもしれない。しかしともあれ、批判は一応しておかなければならない。以下にまず批判対象を引用しておく。 平成18(2006)年11月16日[木] ■【主張】教育基本法改正 やむをえぬ…