2006-01-01から1年間の記事一覧

 教育基本法改正問題をめぐる数々の不見識(1)読売新聞の社説(11月16日づけ)

繰り返しになるが、今回の政府改正案の採決強行についてはまず、それが安倍首相自身の主導によるものであることが、くれぐれも銘記されなければならない。民主党江田五月議員の「[http://www.eda-jp.com/satsuki/comment/index.html:title=ショートコメント…

 教育基本法政府改正案に対して反対の声を上げる必要性

与党が採決を強行してしまった今ほど、世論の高まりが求められている時はない。政府改正案がいかに誤っているかということが、あらゆる機会をとらえて論じられる必要がある。 とはいっても、もちろん、一市井人にすぎない私ごときが何か言っても、世に波風の…

 教育基本法審議は百年の計

「教育は国家百年の計」とはよく言われるところである。しかしそれだけではない。教育基本法も、さらには教育基本法審議も、百年の計だと言ってよいのではあるまいか。こういう理念法に関する議論は、後から繰り返し会議録が参照される可能性が大だからであ…

 時代遅れの教育基本法政府改正案

今晩弁護士会館で行なわれた「教育基本法「改正」をとめよう!緊急市民集会」は、識者2人の講演がメインの集会だったが、特に日本大学教授の広田氏の講演が興味深かったので、以下備忘的に書き留めておきたい。 1920年、1940年、・・・、2000年と20年間隔で…

 教育基本法改正の問題に見る、政治家の能力の低下

言うまでもなく、より正確には「現在の政府・与党の能力の低下」と言うべきだろう。 まず見たいのは、1947年に現行教育基本法が成立するに至った時の、国会での審議の様子である。以下、衆議院の教育基本法案委員会での文部大臣の法案提出理由を引用すること…

 教育基本法改正の立法事実は何か?

本ブログでも、しばらくの間、教育基本法改正の問題に極力集中して、議論を行なっていきたいと考えている。そこでまずは、特に国会審議でこれまでに一体何が議論されてきたかを考えてみたい。例えば 「教育基本法改正案、今国会成立強まる 衆院委が来週可決…

 教育基本法−−現行法と政府改正案の比較

教育基本法に関する論議の中で、表題のような話は、もちろん国会では行なわれているのだろうと思う(国会会議録で確認してはいないが)。しかし、私自身はあまり目にしたことがない。或いはインターネット上ではどこかで既に行なわれているのかもしれないが…

 教育基本法改正案の衆院通過という暴挙が近づく

大変憂慮すべき事態である。今の国会勢力分布からすれば、衆院を通過した法案は成立が確実視されることになるから、本当に教育基本法は改正(もちろん、実際には「改悪」だが)されることになりかねない。朝日新聞など、ようやく夕刊紙上で、教育基本法に関…

メディア報道の限界の一例――拉致問題

asahi.comでは時々シンポジウムの内容が掲載され、これが往々にして読み応えがある。紙の新聞でも掲載されているが、数年来インターネット上で見ることに慣れてしまった者としては、インターネットの方が読みやすい。 ここで紹介したいのは 「国際シンポジウ…

 ひ弱な政治家たちのひ弱な核武装論、そしてそれを統制できないひ弱な首相

本ブログでも何度かとりあげてきた世襲議員、中川自民党政調会長のアホな「核武装論議必要」発言をめぐる騒ぎは、「事実上の発言修正」で終わったかのように伝えられている。 「自民・中川政調会長、「核保有議論」発言を事実上修正」 http://www.asahi.com/…

将棋のこと

忌憚なく言えば、第19期竜王戦第2戦は、勝負師としての両者の格の違いが現れた一戦だったと言ってよいだろう。絶対優勢だった渡辺竜王の、要するに「手が震えた」のであり、それが勝ちを逃す結果へとつながった。これを見て、少し前に羽生世代(この場合は…

自民党中川幹事長の不見識、その他

自民党で不見識を誇る中川という人間は、政調会長職だけでなく幹事長職にもいるらしい。次の記事 「中川氏、郵政反対組に「踏み絵しっかり踏んでもらう」」 http://www.asahi.com/politics/update/1029/003.html を目にして改めて思ったことだが、中川秀直曰…

イランの核利用をめぐる問題

ここ2週間ほどにおける政治上の最も大きな話題は北朝鮮の核実験疑惑だったが、考えてみれば本ブログではこれまでとりあげてこなかった。他意はなく、単に興味がそちらへ向かなかったからにすぎないが、なぜかといえば、そもそも本当に北朝鮮が核実験を行な…

いつから朝日新聞は安倍の幇間になったのか

「衆院補選 まずは合格点の安倍首相」 http://www.asahi.com/paper/editorial20061023.html#syasetu1 とあるが、いつから朝日新聞は安倍の幇間になったのだろうか。まあ、選挙の結果を採点してやったとでも言いたいのかもしれないが、今回の補選で書くべきこ…

 中川自民党政調会長は更迭されなければならない

日本人は政治家が言を左右することに対してあまりにも寛容すぎる。それは「寛容」などという言葉で評するべきではなく、むしろ「無責任」という言葉で評されるべきだろう。政治家の無責任な言動を許容することは、彼らが主権者の代理人として行動している以…

オウム真理教という宗教

「ビデオニュース・ドットコムを見るようになって1年ほど経つが、これまでのところ概ね、番組の内容は良い意味で刺激的・思考誘発的なものだったように思われる。オウム真理教を扱った今回の番組もそうだった」−−と書こうと思い、神保氏のブログへのコメン…

今期の囲碁名人戦の面白さ

http://www.asahi.com/igo/ などと言っても、ヘボ碁打ちにどれほど鑑賞できているかはわからないが、それにしても今期の囲碁名人戦は全局どれも面白く、見ごたえがある。ヘボ碁打ちとして言うなら、本来の実力から言えば明らかに張名人の方が一枚上で、その…

安倍首相のあまりにも軽い信念と、首相の変節を喜ぶ軽薄なメディア

先週の国会での予算委員会審議で、先の大戦での日本の戦争の侵略的性格を認め謝罪した「村山首相談話」と、従軍慰安婦問題に関する「河野官房長官談話」とを受け入れ、さらに今回の訪中では自らの「政経分離」論を引っ込め、むしろ中国が主張する「政経両輪…

脳死と臓器移植−−要するに、人間の材料化、ということ

脳死をそのまま人の死とする 「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案」(第164回国会提出、議案番号14。いわゆる臓器移植法改正A案) と、 「本人の提供の意思を大前提とする現行法の考え方を基本として、その意思表示を行える年齢を15歳から1…

アザデガン油田開発の失敗の意味すること

「イラン・アザデガン油田開発:日本側権益10%に 「イランに65%譲渡」で合意」 http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kaigai/news/20061007ddm003030033000c.html 「アザデガン油田で日本、開発主導権手放す 権益10%に」 http://www.asahi.com/bus…

選挙区定数判決の根本的な問題

10月4日に出された、選挙区定数格差が合憲か違憲かという問題に関する最高裁大法廷判決についてだが、 「参院選:「1票の格差」5.13倍は合憲 最高裁」 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061004k0000e010103000c.html 今回の判決ぐら…

「護憲」「改憲」論議を超えるための方法

9月30日づけの日録で「なぜ「ナショナリズム」に対して警戒的でなければならないか」と題して、ナショナリズムを顕揚する思考様式(ないしはむしろ、そこに見られる思考停止)の危険さについて述べ、より具体的に何が重要な価値なのかという点にこそ注目す…

なぜ「ナショナリズム」に対して警戒的でなければならないか

ビデオニュース・ドットコムの<マル激トーク・オン・ディマンド>(第287回)の中で、宮台氏がまたもや、民主党はナショナリズムを自らの主張の中で掲げるべきだと主張していた。つまり、9月24日の日録で書いたように、日本の政治家はナショナリストでなけ…

メディア不信の根拠

インターネット上ではかねてから既存メディアに対する不信が声高に言われているように思われる。私自身はそういう立場に必ずしも与するわけではない。情報を見る場が紙面上からインターネット上に変わっても、信頼に値する(少なくとも、信頼に値するととり…

日本の政治を見る基本的な視座、及び安倍新政権について

政権が代わったのを期に、日本の政治を見る場合の私自身の基本的な見方を記しておきたい。まず、日本の政治に今何よりも必要なのは、政権を担う政党が交代すること、すなわち政権交代である。日本における民主政治の可能性を見極めるためという理由だけでも…

飲酒運転追放キャンペーンよりも必要なこと

昨日(9月25日)の「クローズアップ現代」では飲酒運転をどう防止するかに関する番組が報じられていた。飲酒運転追放、もちろん結構なことである。しかし、それ以上に根本的に重要なことが教えられる必要があると、私はつねづね思っている。それは、自動車…

安倍政権をどう見るか、靖国問題、他

と題してはいるが、別に安倍氏の考え自体に興味をもっているわけでは全くない。安倍氏自身がカラッポな、無内容な政治家(政治屋)であることはもとより明らかであり、仮に安倍氏が首相になったとしても一日も早く辞めてもらうことが日本のために良いことは…

麻原彰晃の死刑確定の報に接して

既に数日前に報じられたニュースだが、問題の重大性に鑑みて、思うところを記しておきたい。問題とは、本当に麻原彰晃を死刑にしてよいのかどうか、ということである。(以下、麻原彰晃を本名(松本智津夫)で呼ぶべきかどうか、迷わないわけではないが、後…

ビラ配りをどう扱うべきか――知恵の問題

先日、ビラ配りを行なった人が住居不法侵入罪に問われて逮捕された件で、地裁判決があった。リンクの記事 http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/kishanome/news/20060914ddm004070036000c.html は、その判決をめぐる或る新聞記者の感想を載せたものだが、まず…

日本は核武装せずに自国の防衛を行なうことを世界に宣言すべき

私は軍事には全くの素人であり、そのような観点から日本の防衛について語るべき何事ももっているわけではない。しかし、今日本では、我々日本人がどれほど自覚しまた注視しているか否かにかかわりなく、米軍再編との関連で自衛隊の米軍への統合度がますます…