中川自民党政調会長は更迭されなければならない

 日本人は政治家が言を左右することに対してあまりにも寛容すぎる。それは「寛容」などという言葉で評するべきではなく、むしろ「無責任」という言葉で評されるべきだろう。政治家の無責任な言動を許容することは、彼らが主権者の代理人として行動している以上、主権者たる我々が無責任な言動をしていることになるからである。日本が無責任国家と見られないためには、当然ながら、無責任な言動をする政治家は除かれなければならない。そのような観点から見るなら、例えば「公約を破ったって大したことない」と抜かした小泉は、いの一番に除かれるべき政治家だったはずである。


 今そのような政治家として槍玉に挙げるべきは、中川自民党政調会長である。次の記事
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/archive/news/2006/10/16/20061016ddm001010089000c.html
によれば、中川は日曜日のテレビ番組で次のように言ったとされる。
「(日本に)核があることで、攻められないようにするために、その選択肢として核(兵器の保有)ということも議論としてある。議論は大いにしないと(いけない)」
「もちろん(政府の)非核三原則はあるが、憲法でも核保有は禁止していない」


 この発言が問題視されるようになるや、中川は、次の記事
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/archive/news/2006/10/17/20061017ddm005010071000c.html
によれば、次のように発言している。
「私は核武装反対論者だ。非核三原則をいじるとはひと言も言っていない」


 有権者をなめるのもいい加減にしろと言いたい。日曜日に言ったという発言のどこが「核武装反対論者」の言うことなのか。「非核三原則をいじるとはひと言も言っていない」という考えの持ち主ならなぜ、「憲法でも核保有は禁止していない」などということを言う必要があるのか。必要など全くないではないか。


 当然ながら、中川は自民党政調会長を辞めさせられるのでなければならない。


 ここでメディアが中川を徹底的に攻めるのでなければ、メディアは後で痛い目を見ることになるだろう。中川は安倍と一緒にNHKの報道内容に対して容喙した疑いのある(疑いのある、というよりむしろ、番組担当ディレクターが実名で告発したのだから、実際に容喙したのだろう)政治家である。メディア、言論の自由に対する仇敵とみなされるべき政治家なのである。攻めないことによって貸しを作る? 貸しなど感じる輩ではあるまい。