民主党幹事長小沢一郎氏秘書の逮捕――明らかに東京地検特捜部のやりすぎ


 率直に言って、この手の話題にはあまり付き合いたくない。金がどこからどこへ流れたの、それが何に使われたのといった話をくまなく追いかける趣味は当方にはないからである。


 しかし、今回の逮捕劇はどう見てもやりすぎである。もし万が一小沢氏の側に何らかの非があったとしても、である。この印象は私だけがいだいているものではなく、例えば、実際にこの種の問題で検察への告発を行なっておられる弁護士、阪口徳雄氏もそういう印象を述べておられる


 もとより私は、こういう按配だから、今回の件について特別な情報源など全く何も持っていないが、一連の動きの中で気づいたことを記しておきたいと思う。その前に、知る人ぞ知る情報サイトThe JOURNALにおいて、今日(2010年1月16日)の午後に行なわれた民主党大会における小沢氏及び鈴木宗男氏の発言を紹介したページがあるので、ここでもそのリンクを紹介しておくことにする。リンクはこちら


 まず今回の報道の中で驚いたのは、昨年3月に突然東京地検特捜部によって逮捕された小沢氏の公設第一秘書、大久保隆規氏が今でも相変わらず公設第一秘書のままだということである。小沢氏が自ら及び大久保氏の無実を完全に信じているからこそこういうことができるのだろうと想像される。この事実は、今回の一連の報道に接する際に大いに重視されるべきである。言うまでもなく、大手メディアは検察情報の垂れ流しに終始しており、小沢氏側の言い分はほとんど全く伝えられていないからである。


 次に指摘しなければならないのは、今民主党政権にはこの件との関連で何ができるか、という点についてである。これについては、上で紹介したThe JOURNALのページから聞くことができる鈴木宗男氏の発言が重要である。詳しくはご自分で聞かれるがよいだろうが、鈴木氏は昨年12月に検察からの情報のリークの有無について鳩山政権に対して質問主意書を出しており、これに対して鳩山内閣答弁書で検察のリークを否定する趣旨の回答をしたとのことである。しかし、同じ鈴木氏が、今回逮捕された石川議員との会話の中身を「ムネオ日記」で披露しており、それを読む限りでは、検察からのリークはやはりあるとしか思えない(「ムネオ日記」の2010年1月12日の項を参照)。つまり、今や検察の捜査について、民主党は検察のリークの言わば被害者になり、かつ同時に、行政の一部門である検察を有する政府の立場にあるものとして、加害者にもなっているのである。鳩山首相を始めとする民主党政権の閣僚たちは一刻も早くこのことのおかしさに気づく必要がある。そして気づいたなら、これを改めるべきである。これまでの活動を見る限り、この問題で役割を果たすべき千葉法務大臣には行動力のかけらもないことが窺われるので、同法相に任せておかずに、民主党政権は政府全体の問題として事に当たるべきだろう。


 とりあえずこの程度にしておく。