文化
名人戦に関する前回の書き込みでは私は羽生のことを将棋界の「第一人者」と呼んで書いたが、そのような評価は早晩改めなければならなくなるかもしれない。今回の名人戦第5局で羽生は実にみっともない、プロしかも名人として最もやってはならないジリ貧負け…
以前にも書いたことだが、本ブログが羽生名人のことをひょろ弱と呼ぶとして、それは羽生(敬称略。以下同様)が弱いからではもちろんない。もちろん羽生は強いのだが、しかし勝負の世界では第一人者はべらぼうに強くあってもらわなくてはならない。そこであ…
今しがた終わったらしい王将戦第3局については、言うべきことは何もない。本ブログが「ひょろ弱」と呼んでやまない王将兼名人がまたやってくれた、というにすぎない。ひょろ弱先生、期待にたがわずボロ負けしてくれたナー。羽生にとって今年は絶不調の年と…
羽生名人をひょろ弱と呼び続けることは、間違いなく将棋ファンの神経を逆なでし、かつ(聞こえなどしないだろうが、万一聞こえたなら)羽生本人の神経を逆なでするだろう。しかしそうとわかっていてやっているのであって、それは(楽屋裏を明かすなら)、裏…
正月ボケということで、時事問題はさておき、気になった局面の手を備忘的に書き留めておくことにする。 佐藤康光NHK杯対笠井女流アマ名人の対局、手合いは飛車落ち。仕掛けからほぼ順調に下手が攻め、途中飛車捨ての強攻もほぼ決まり、寄せが決まるかとい…
竜王戦は第6局もつまらない将棋だったが、第7局はこれに輪をかけてつまらない将棋、というよりむしろ、お粗末な将棋だったと断じてよい。何だあれは、である。例えば81手目、解説にもあるように、2二銀、同銀、同歩成、同玉、2三銀とやれば、この将棋は…
竜王戦第6局が終了。終わってみれば、第5局に続いて羽生名人の一方的な負け将棋だった。 第6局のポイントはやはり封じ手近辺の指し手にあっただろうと思われる。というのも、2日目に入ってからの局面はほとんど一直線の将棋、すなわち変化の余地がほとん…
本ブログの以前の記事で、羽生は再び7冠全冠制覇を狙っているに相違ないと書いた。どうやら事態はその方向に進展しつつあるようである。9月12日に行なわれた竜王戦挑戦者決定戦3番勝負第3局の結果、果たして羽生が挑戦者となった。また、現在同時並行で…
本ブログは将棋の棋士に対しては概して厳しく、とりわけ羽生に対しては特に厳しいことを書いているが、たまには賞賛することもしておきたいと思う。このほど羽生の棋聖位奪還(羽生の場合、どのタイトルでも「奪取」でなく「奪還」と書いておいて間違いない…
現在二冠の羽生(敬称略。以下も同様)が名人戦第6局に勝利して、十九世永世名人の称号を獲得することとなった。が、同局は、(NHKの放送の解説でも言われていたが)88手目に森内が、解説が勧めていた2三銀打ではなく2三歩としたあたりなど(△2三歩と…
もともと映画館ではほとんど映画を見ないが、なぜかというと入場料が高すぎるからである。1回1800円はないだろう!(新作でないところではもっと安いケースもあるかもしれないが) 以前オランダに住んでいた時には、もちろんもともと映画はほとんど見ないの…
佐藤康光二冠がここのところ絶不調のようである。今年度の成績を見ると、対局数は全棋士中一番ぐらいに多いのに、勝率が5割を切っている。これは極めておかしな話で、というのも、ふつう対局で勝ち進むからこそ対局数は増えるからであり、したがって、対局…
つい今しがた終わった王位戦第7局は、終盤戦が実に見事な戦いだった(「名局」という言葉は観戦記や感想などで安売りされすぎているので、ここではあえて使わないが)。対局をWeb中継した北海道新聞のこの記事にあるように、106手目△6九銀不成でなく△7六…
言うまでもなく、本ブログの予想に何の権威もあろうはずもない。現在9月6日で、まだ第1局の1日目途中だが、これまでの打ち手を見た限りでは、明らかに挑戦者の踏み込みの方が優っている。手順はこちらで見ることができるが、右辺の石を捨てる代わりに黒4…
以下、まずこの記事から引用する。 著作権保護期間の延長を巡る本格的な議論が開始、文化審議会小委 文化庁の文化審議会著作権分科会は3日、「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」の第7回会合を開催した。これまでの会合では、関係者ヒアリングや…
第48期王位戦7番勝負は、第1局、第2局とも力のこもった将棋で、大変に見ごたえがある。そしてそれだけに、この2局をいずれも挑戦者の深浦八段が勝ちきった(しかも即詰みで勝った)ことは意味深長である。生涯勝率が7割を超える(つまり、3局指せば2…
或るメーリングリストからの情報で知ったが、来たる7月14日からバチカン図書館が、少なくとも向こう3年の間閉鎖される予定だという。寝耳に水とはこのことだが、まず情報の出典を示しておくと、このページの上の方に 「The Vatican Library will be closed…
政治の日程がたてこんでおり、与党が相変わらず暴走を続けているのに、何を将棋にうつつを抜かしているのかという読者がおられるだろうか(そんな人、居やしないか)。しかし、今回の朝日オープン第2局の将棋(棋譜はこちら)はどうにも解せない将棋である…
名人戦7番勝負の第1局は郷田九段の勝利に終わった。棋譜はこの記事とこの記事から見ることができる。 なかなか見ごたえのある将棋だった。特に序盤から中盤にかけてが、である。 その一例がこちら。 確かに、「後手が△6五歩と突けば、先手は▲5三角成と銀…
現在挑戦手合いに出まくって絶好調の佐藤棋聖が、確立したいわゆる「定跡」の手順を好まず、いつも独創的な序盤戦を行なっていることは将棋ファンには周知である。もちろん、これは棋力がなければできない芸当であり、その意味で、佐藤棋聖が自ら恃むところ…
「パソコンテレビ GyaO [ギャオ] 」で見られる映画の大部分がくだらない映画であることは、私が改めて言うまでもないことかもしれない。しかし、時々良い映画が出ることもある。本ブログでも以前に「エンド・オブ・オール・ウォーズ」(DVDでは『クワイ河収…
映画評など書く柄ではないが、しかし、今GyaOでやっている映画<エンド・オブ・オール・ウォーズ>(このリンクも参照)は大変良かった(12月22日昼で終了)。以下、ネタバレになるが、まず粗筋を、次に感想を、書き留めておきたい。 捕虜収容所で日本軍が、…
忌憚なく言えば、第19期竜王戦第2戦は、勝負師としての両者の格の違いが現れた一戦だったと言ってよいだろう。絶対優勢だった渡辺竜王の、要するに「手が震えた」のであり、それが勝ちを逃す結果へとつながった。これを見て、少し前に羽生世代(この場合は…
http://www.asahi.com/igo/ などと言っても、ヘボ碁打ちにどれほど鑑賞できているかはわからないが、それにしても今期の囲碁名人戦は全局どれも面白く、見ごたえがある。ヘボ碁打ちとして言うなら、本来の実力から言えば明らかに張名人の方が一枚上で、その…
朝日新聞9月12日朝刊の文化欄の記事「著作権のふしぎ 上」は、残念ながらasahi.com上では見られないようだが、著作権延長の問題は以前から気になっている問題なので、この機会に少し書いておきたい。 著作権の保護は無論必要である。しかし、保護期間を「著…