お粗末な将棋に負けた「ひょろ弱名人」羽生


 竜王戦は第6局もつまらない将棋だったが、第7局はこれに輪をかけてつまらない将棋、というよりむしろ、お粗末な将棋だったと断じてよい。何だあれは、である。例えば81手目、解説にもあるように、2二銀、同銀、同歩成、同玉、2三銀とやれば、この将棋はほとんど終わっていた。以下同玉なら2四飛と王手で飛車が走るのが厳しすぎだし、3一玉と逃げたなら2四角ぐらいで勝ちだったろうと思われる。アマ有段者でも気がつく程度の寄せだろう。


 そもそも何がお粗末かと言って、自玉が数十手にわたって盤上を逃げ回るような将棋が名人の指す将棋か、ということである。全くだらしがない。言うまでもなく、プロが指すレベルの将棋を、私のようなアマが指せるわけはないのだが、しかしそれにしても、これが今の棋界を代表する棋士の指しぶりかと思うと、他人事ながら情けない思いがする。


 批判に値するのは羽生だけではない。このひょろ弱名人を第一人者に仕立てている他の棋士たちは、いったい何に負けているのか、と言わざるをえない。いい加減にしてもらいたいものである。この羽生がタイトルの独占を進めた2008年という年は将棋界にとって異常な年であった――後からそういう回顧ができるよう、他の棋士たちは頑張って、来年の棋戦で羽生からタイトルをむしり取ってもらいたいものである。


 勝負の世界では強者が強者らしく強くないと、どうも見ごたえがないと思うのは、私だけだろうか。そうではないと思うのだが。