またやってくれた「ひょろ弱名人」のジリ貧負け


 羽生名人をひょろ弱と呼び続けることは、間違いなく将棋ファンの神経を逆なでし、かつ(聞こえなどしないだろうが、万一聞こえたなら)羽生本人の神経を逆なでするだろう。しかしそうとわかっていてやっているのであって、それは(楽屋裏を明かすなら)、裏を返せば、羽生が圧倒的に強くあることを心底期待するからこそ、そうでない現状を揶揄したくなる、ということなのである。


 それにしても、王将戦第2戦では羽生は実にみっともない負け方をしてくれた。これが名人か?????????? と疑問符を10個並べたいようなお粗末な将棋である。まあ、次回はひょろ弱の下手さにさらに磨きがかかることが期待される。――もちろん、当方のこのような皮肉を見事に裏切る結果を期待してこう言っているのである(くどいようだが)。


 それはともかく、この将棋を見て妙な妙手があるように思った。それをここでは書き留めておきたい。それは81手目、先手番の局面でだが、ここでひょろ弱名人は1三歩成とおやりになった。これに対して後手は当然6七香成と攻め、この香成が入って以降は先手に勝ち目はない。ということは、ここで何か手がないかということだが、実はあるのである。

その妙手と思われるのは、▲6四角と角香交換をして、△同歩に▲3三銀と打つ手である。以下△2一飛(△1二飛に対しては▲1三香!)、▲1三歩成ぐらいで、この後は飛車をいじめながら指せば、先手も相当ではないかと思われる。


 重要なのは、△6四歩、△6五香となっている後手の形が、いかにも攻めに利いていないことである。しかも、先手の形は角の打ち込みを全く許さない形となっている。気になるのは後手の持ち駒の桂馬2枚だが、端攻めをしようと思っても、6四の位置に角或いは馬が来ることができない。桂馬で攻めの形ができるより前に、先手がと金を2枚作り、飛車の後押しでと金を寄せていくという攻めのほうが早いように思われる。


 おわかりいただけたでしょうかね、ひょろ弱先生。