今やホロコースト加害国となりつつあるイスラエル


 私は反ユダヤ主義者では全くないし、そもそも日本は歴史上ヨーロッパに根強く存在した反ユダヤ主義と無縁な国だが、そう言った上で、表題に書いたことを今や言わないわけにはいかなくなった。これでも、「今やホロコースト加害国となりつつある」というのは腰が引けていると評すべきかもしれない言い方なのであって、現実には「既にホロコースト加害国である」と言うべきかもしれない。


 言うまでもなく、第二次大戦時におけるナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺は歴史上の大惨事であり、これをもたらしたドイツ人、及び反ユダヤ主義に直接間接にかかわった人々は、これまでも批判されてきたし、今後も当然批判されるべきである。しかし、その際適用される基準と同じ基準を今のイスラエルの国家としての行動に当てはめるなら、今回のイスラエルの行動は明らかに(ナチス・ドイツによる虐殺が国家犯罪であったのと同じ意味で)国家犯罪であり、殺傷者の数的規模こそ異なるものの、イスラエルは大虐殺を行なっているとみなさざるをえない。


 パレスチナ人をパレスチナ人であるがゆえに殺している(というのも、外国籍のパレスチナ住民をイスラエルは避難させているようなので)イスラエルという国は、ユダヤ人をユダヤ人であるがゆえに殺したナチス・ドイツと同じ犯罪を犯しつつある。これは、曇りなき目で見れば極めて明白な話である。


 最後に、イスラエルによる今回の対ガザ軍事攻撃に関する朝日新聞の記事を引用しておく。

ハマス幹部と家族ら殺害 ガザ空爆、死者430人に
2009年1月2日23時43分


 【エルサレム=古谷祐伸】イスラエル軍パレスチナ自治区ガザへの空爆は2日、開始から7日目を迎え、AFP通信によるとこれまでの死者は430人に上った。1日にはガザを支配するイスラム過激派ハマスの上級幹部宅を空爆、本人と妻子ら約20人を殺害した。イスラエルのリブニ外相は同日、フランス政府提案の48時間停戦を改めて拒んだ。地上戦突入の可能性が徐々に高まっている。


 空爆で殺害されたのはハマス政治部門のニザル・ラヤン氏(49)。空爆ではこのほか、1日から2日早朝までにパレスチナ自治評議会(国会)やモスク(イスラム教礼拝所)など約50カ所が破壊され、ガザ南部では、8歳から12歳の子3人が死亡した。


 一方、ガザからイスラエルへのロケット弾攻撃も続き、イスラエル政府によると1日に52発、2日午前に18発が撃ち込まれた。


 ガザとの境界では地上部隊が侵攻に備えている。イスラエル紙ハアレツは「地上戦は大規模だが短期間になる」との政府の見方を報じた。ガザからの情報では、ハマスは地雷や仕掛け爆弾などで応戦する準備を進めているという。


 停戦に向けた国際社会の働きかけは成果を上げていない。イスラエルのリブニ外相は1日、パリでサルコジ仏大統領らと会談したが、「ハマスと一般住民を区別している。ガザに人道危機はない」として攻撃を続ける考えを示した。


追記
 イスラエルによる攻撃の即時中止を求める署名のご案内。署名しただけでは仕方ないと思う方もおられるだろうが、何もしないよりはまだ良いのではないだろうか。このリンクから署名のページを見ることができる。英語だが、簡単な内容なので説明は不要だろうと思う。