なぜ自民党出身の大臣には疑惑が絶えないのか?


 自民党の大臣はなぜこうも不明朗会計な輩ばかりなのだろうか。


 この記事によると、「「政治とカネ」の問題を抱えたまま自殺した松岡利勝・前農林水産相の後任、赤城徳彦農水相も常駐職員がいない政治団体を実家に置き、多額の経費を計上していた」とのこと。計上されていた多額の経費とは、この記事によれば具体的には「少なくとも05年までの3年間で計約1200万円の経常経費」というものだそうで、これについて赤城氏の母親は、実家では「(宗徳氏の時代は)会合などをやっていたが、徳彦の代になってからはない」と話しているとのこと(出典はこの記事)。まさか、母親を嘘つき呼ばわりはしないだろうと思われるので、赤城農水相にはどういう説明ができるのだろうか。


 ついでに言えば、「赤城氏の場合、領収書添付は改正法でも不要」だとのこと(詳しくはこの記事を参照)。赤城氏の問題は、先日成立したばかりの改正法が全くのザル法であることを、この上なく明白に世間にさらした出来事でもあるようだ。



 それにしても、自民党出身の大臣にはどうしてこうも疑惑まみれの連中が多いのか。この問いに対する答えは明らかで、つまり大臣でない連中の中にもそもそも疑惑まみれの輩が多いから、と考えるほかない。


 自民党の中で最も疑惑まみれなのは、或いは安倍首相なのかもしれないが、これについては私は立花隆氏が書いている記事程度の情報しかもっていない。立花氏が引用しているような、素性のわからない情報をあまり振り回したいとは思いない。


 そこで確かな情報に基づいて言うなら、知る人ぞ知る、自民党の疑惑まみれナンバーワンと言えるであろう人物は、政府・与党で首相の次の地位にある人、つまり中川秀直幹事長である。以下、このページからの引用だが、

 それからもう一つ、これももっと語られるべき事件なのですが、週刊誌 「FOCUS」 のスクープによって、森内閣中川秀直官房長官の女性スキャンダルが発覚し、辞任するという事件がありました。これもよく知られている事件ですが、実際には、この事件の分析があまりにも弱すぎると思うんですね。


「FOCUS」 には、当時現職の官房長官と女性との会話の記事が載った。これは、単なる女性スキャンダルとして人々の記憶に残りました。そして、さらに 「FOCUS」 が会話録音の記録をテレビ局に持ち込んで、生放送で流そうとしたわけです。


 そのとき、各局にものすごい圧力がかかった。生の声が出れば、当然それが中川官房長官だとわかってしまう。ところが、日本テレビとTBS、テレビ朝日は放送した。やらなかったのはフジテレビとNHKです。


 暗々裏にあってあまり語られていないけれども、報道したこれら三つの局は、圧力を跳ね返して放送に持ち込んだわけですね。そして、実は放送されてからではなく、放送されると決まったとたんに、中川官房長官は辞任したのです。


 さらにこの事件で語られていないことがあります。それは、時の官房長官が捜査情報を手にしていたということです。女性から別れ話の話があった一九九五年当時、中川氏はまだ官房長官ではなかったけれども、女性に対する覚醒剤疑惑の捜査情報を警視庁から入手し、それをネタに、女性に対して 「警視庁だって動いているんだ」 というふうに圧力をかけた。テレビ局が放送したのは、その会話内容の電話録音だったわけです。


 しかし、これは大変なことですよ。警視庁が中川氏に捜査情報を洩らしている。いや、もっと言ってしまえば、これはあくまで推定に過ぎませんけれども、もしかして中川氏は警視庁を動かして、女性に圧力をかけたのではないか。実際、九五年七月に、女性は覚醒剤取締法違反容疑で警視庁の家宅捜索を受けています。けれども、何も出てこなかった。


 この情報が確かな情報だと言えるのは、この件が理由となって中川氏自身が官房長官職(当時)を辞任しているからである。


 こういう過去をもつ人物(しかも、現職の政府高官が捜査当局の情報を引き出すという、事実とすれば極めて由々しき、未解決の疑惑があるのである)に幹事長をやらせている自民党は、つまり、頭から腐っていると言わざるをえない。だから、疑惑つき大臣が後を絶たないのは当たり前なのである。


 こういう膿みは、やはり一度自民党を野党に転落させることで、きれいさっぱり出し切った方が良いのではなかろうか。



 ついでに言えば、中川秀直氏の場合、自宅や後援会事務所が財団法人所有の土地に建てられているのだそうである。詳しくはこちら


 それにつけても、議員の世襲は政治から駆逐されなければならない。