安倍政権の自信?


 参院選も、はや終盤となってきた(中盤かもしれないが、しかしもう、だいたいの有権者は投票先を決めているものと思われるので)。そこへ来て、次の報道がちょっとした話題となっている。


どんな結果でも安倍首相は続投 塩崎氏

どんな結果でも安倍首相は続投 塩崎氏
2007年7月23日 朝刊


 塩崎恭久官房長官は二十二日、松山市で街頭演説し、参院選で与党が苦戦を強いられていることをめぐり「どういう結果が出ようともこの安倍改革の流れを止めてはならない。その意気込みでわれわれは進んでいく」と述べ、与党が大きく後退した場合も、安倍首相は続投する構えであることを示唆した。塩崎長官は「改革の流れを止めて喜ぶのは第一は民主党。恐らく二番目は北朝鮮ではないか」と強調した。

 「改革の流れを止めて喜ぶのは第一は民主党。恐らく二番目は北朝鮮ではないか」というこの馬鹿げた発言には開いた口がふさがらないが(塩崎がここまで阿呆なことを言う輩だとは思わなかった)、しかし、安倍政権続投ということを言っているのはこの阿呆だけではない。


「敗北でも首相退陣ない」 自民に擁護論相次ぐ

「敗北でも首相退陣ない」 自民に擁護論相次ぐ
2007年7月24日 朝刊


 参院選で与党の過半数割れの可能性が指摘される中、自民党内から二十三日、安倍晋三首相は敗北しても退陣する必要はないとの声が上がった。


 小泉純一郎前首相は鹿児島市で講演し「安倍さんには頑張ってもらわないと。一番どん底で辞めたら何を言われるか分からない。自分に与えられた試練だと思ってやってもらいたい」と強調。


 渡辺喜美行革担当相も都内の講演で、首相の進退に関し「選挙結果によって、退陣することはない。退陣するとの見方は、中選挙区制時代の(古い)発想だ」と述べた。


 その上で「最終的に(政権運営が)行き詰まって、にっちもさっちもいかなくなれば政権選択になる」として、首相が今秋以降に衆院を解散する可能性があるとの見方を示した。

 安倍首相が政権担当能力を欠いていることは既に明らかなので、安部政権が参院選後も続投することになるのは野党にとっては歓迎すべきところではあろう。


 但し、である。少々奇怪な噂がないわけではない。民主党平岡議員の政策秘書である石田氏の「石田日記」からの引用だが、

7月19日(木)
「Aftermath」


 マスコミ各社の選挙中間予想の発表を受けて、早くも選挙後の動きを睨んだ取材が活発化。


 大体、噂(予想?)になっているのは次のとおり。


 自民党は、安倍退陣決定的か。次は福田か、麻生か。9月の総裁選で交代か(野党側としては、安倍の方が衆院選を闘いやすいので残っていて欲しいが・・・・)。


 与党参院過半数割れを予想して、連立、一本釣りのシュミレーションが始まっている。国民新党は予想半々。他に予想されているのは、新党日本を離脱した荒井広幸氏と民主会派を離脱した某氏と、後2人。但し、二人は比例なので、無所属会派で連立か。他に誰が行く可能性があるのかは各社調査中。


 そう考えると、過半数を取ったとしても、相当上回らないと、与党が過半数を維持する可能性がある。


 このほか、どこまでどちらが手を突っ込むかで、諸説紛々としている。


 民主党の選挙後の新人が、どこのグループに所属するのかについても、当選可能性とあわせて各社の調査が始まっている。


 以上、まだ選挙も終わっていない段階の話なので、こういう噂があるということで、ご参考までに。

 参院選後に、ここで書かれている話が現実のものとなったとしたらどうなるか。仮に一部の議員が釣り込まれたとしても、民主党が全体としてダメージを受けることはないだろうと思われるが、しかし、強行採決で通した法案の数の多さを以て実績を誇る安倍政権のこと、もし参議院でそういうごたごたの結果与党が過半数を維持なんてことになったら、悪夢が続くことになりかねない。


 であるからして、今回の参院選では安倍政権は単に敗北するだけでなく、大敗北してもらわなければならないのである。お灸はたっぷりと。


 それにつけても、議員の世襲は政治から駆逐されなければならない。


追記
 この記事を書いた後にasahi.comを見たら次のような記事があった。

北朝鮮メディア、安倍首相退陣を要求 閣僚も相次ぎ攻撃
2007年07月24日17時07分


 北朝鮮メディアが29日投開票の参院選を前に、安倍政権への批判を強めている。23日付の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は「安倍一味は自ら権力の座を退くのが良いだろう」という論評を掲載した。ラヂオプレスによれば、安倍内閣の退陣を公然と求めたのは初めて。


 24日付の同紙は小池防衛相を「政界の渡り鳥と呼ばれる」「軍国主義にあこがれるスカートをはいた右翼保守人物」と酷評。21日の朝鮮中央放送は、赤城農水相ついて「事務所費用の問題についてペテンを働いた事実が明るみに出た」と非難した。

 まさか、北朝鮮がこう言い出したからといって、「安倍政権を批判する人間は北朝鮮と同じだ」などというヴァカどもが叢生するなどということはないだろうとは思うが、念のため、そういう連中が湧いて出てきた時のために、問題の記事をここに掲示して、以て北朝鮮の批判など日が浅いことを示しておきたいと思う。