福田首相のいい加減な年頭所感を批判する


 福田首相の年頭所感とやらを目にしたが、まず年金問題については、本当に改革するのなら、改めるべきは「申請主義」それ自体だろう。国が国民の金を預かるのであり、、つまり国の信頼が問われているのだから、徴収するだけ徴収して、給付を受ける時には申請しろでは話にならない。毎年、年金の徴収状況と将来の給付額予想とを国民に通知するくらいのことは最低限するべきだろう(北欧でこういうことを実行している国があると聞く)。その他にも、25年間納付しなければ一銭ももらえないという現行制度を改めるなど、すべきことはいくらもある。具体的な方向性を現時点で全く打ち出せていないような年頭所感は、失格だと言わざるをえない。


 また、言うまでもなく、社会保険庁を解体して「「日本年金機構」(非公務員型公法人)」に移行させる(2010年1月に)など、国が自ら信頼に値しないことを告白しているような「改革」なのだから、もちろん全く評価に値しない。こういう馬鹿げたことを許してはならないのであり、社会保険庁国税庁に吸収合併させる民主党案を実現するという1点のためだけでも、政権交代が強く望まれると言えよう。


 補給支援特別措置法案については、福田首相は「一刻も早く、世界のために汗を流す日本の姿を示したい」のだそうだが、給油が「世界のために汗を流す」ことでなど全くないことは、少しでも事情を知る者には自明である。与党は衆院での多数を頼んで、再可決して法案を通してしまうのだろうが、この法案がいかに馬鹿げているか、アフガニスタン支援のためにいかに役立たないかを、民主党は国民に知らしめるよう努めてほしいものである。