政治家のブログの更新度と政権交代


 今回政権交代が実現したのに伴い、これまで与党にいた(つまり、これから野党にいることになる)政治家の発信にも今まで以上に注意する必要があるだろうと思って、そういう種類のブログの情報を集めてみたが、いささか驚かされた。


 というのは、これからの野党の政治家の発信たるや、一部を除けば極めてお粗末だからである。


 もちろん、私は全部を集めているわけではないし、当然ながら好き嫌いもある。そして一応設けた基準は、今回の選挙で国会に議席を獲得した政治家のブログ情報を集める、というものである(従来から閲覧していたものについては必ずしもその限りではないが)。だから、当然ながら数は限られてくるわけだが、それにしても、ちょっと少なすぎないかと思うほどの貧弱さだった。


 具体的に言うと(あくまでも印象に基づいて言うのだが)、自民党の政治家の中でよく発信しているのは
衆議院議員 河野太郎発行メルマガ「ごまめの歯ぎしり」ブログ版
世耕日記
石破茂(いしばしげる)ブログ」
ぐらいである。


 選挙前までは
早川忠孝の一念発起・日々新たなり
というのも更新頻度が高かったが、この政治家は落選し、今後は頻度が低くなるであろうことが予想される(それにそもそも、国会情報を知りたい当方としては、あまり価値がないものとなってしまった)。


 また、
伊藤達也ブログ【調布市・三鷹市・稲城市・狛江市選出】
も選挙前まではよく更新していたが、やはりこの政治家も落選し、以来茫然自失状態となったからか、選挙からもう1週間近くなるのに全く更新されていない。


 これら以外に今回、上記の基準に基づいてリストに加えた自民党政治家のブログとしては次のようなものがある(なお、リンクは張っていないので、興味のある方はご自身で検索されたい。私自身は、調べるのに「超人大陸」のこのページを使った)。
「えんどう利明のブログ」
「新かつとしコラム」
「伊東よしたか」
「田村のりひさ直球勝負!!」
「親指の独り言」
「涼晴記」
「ケンタブログ」
しかし、これらのいずれも、真面目に更新しているとは言いがたい状態にある。
公明党をなぜ入れないかって? 公明党などという政党は、私にとっては一刻も早く無くなってほしい政党でしかない。つまり私は、そんな政党の政治家が言うことに一々聞く耳を持つほど寛容な人間ではないということである。)


 これに対して、私は民主党及び他の野党の政治家(その多くはこれから与党の政治家になる)のブログも20余りふだんからチェックするようにしているが(もちろん、いわゆるRSSリーダーなるものを使ってである)、こちらは(すべてとは言わないが)概してまめに更新されている。


 自民党の政治家の多くはインターネットもろくに使えない連中だったのだろうか? そういう可能性もなくはないが、しかしそうではないだろうとまずは考えたい。とするなら、この歴然たる違いは一体何を意味するのか? 自民党の政治家は、ブログにうつつを抜かす暇を惜しんで地元回りに励んでいた、ということなのか? しかし私の見るところでは、まめに更新している政治家は地元回り等もよくやっているように見える。とするなら、これは一体どういうことなのか? 与党ボケとでも言うべきものがあるのだろうか。


 政治家というのは、ただの有権者でさえものを言いたくなる日本の政治の、そのど真ん中に位置している人々のはずである。彼らが自分の言いたいことに事欠くとはまず考えられない。ところが、(これまでの)与党と野党でこれだけ異なってくるというところからすると、与党というのは、当の政治家本人がしっかりしていないと、政治家をだめにするシステムなのではないか?


 まだ謎は解けないが、ともあれ、与党と野党でブログによる発信の度合いにこのような違いが見られるとは、極めて興味深い現象ではある。そしてともかくも、これからの与党はインターネットでの政治活動(特に選挙時における)を全面自由化するなど、時代に合った改革を行なっていただきたいものである。