再び、東京における「比例区は社民党」の意義


 今回の表題で言いたいことは、実は既に6か月前に同じ表題で書いたことの繰り返しである。社民党衆議院議員保坂展人氏にお世話になっているブログの書き手は少なくないと思われるが――否、私に言わせれば、保坂議員に対しては全国民がお世話になっていると言わなければならないのだが、その保坂氏を再び国会に送り出すことについて、ブログの書き手の諸氏はどれほど真剣に考えておられるだろうか、と私は思っている。


 社民党の政治家が東京で議席を獲得することは決して容易でない。そのことは、私自身も若干選挙運動にかかわらせてもらった2007年の都知事選の結果がよく物語っている。あの選挙で社民党の候補は、決して悪くない候補だったのだが、共産党の候補よりも遥かに少ない票数しか取れずに落選した。もしその時の票数が次回の総選挙の東京の比例ブロックの政党得票数に相当するとするならば、社民党は東京の比例区では一議席も獲得できないことになる。かほどに、社民党の選挙基盤は弱体化しているのである。


 加えて、保坂議員が次回の総選挙で出馬することとなった東京8区には、全国的知名度を有する(否、私に言わせれば、全国的に悪名の高い)石原都知事のドラ息子であり、本人も(一応)全国的知名度を有する石原伸晃がいる。この小選挙区で当選するのは、保坂氏自身が国替えをしたこともあり、極めて困難だと言わざるをえない。もし小選挙区で勝てなければ、保坂氏の当選のためには比例区での復活当選が必要である。ところが比例区の得票の見込みは、という話になるのである。


 既に同表題の過去記事で書いたとおり、(よく言われる話だが)政権交代を実現するためには、小選挙区では与党の候補に勝てる野党の候補――したがって、基本的には民主党の候補――に投票し、比例区では、自分が応援したい政党に投票する、というのがベストだろう。ただ、他の地域ではともかく、少なくとも東京においては、共産党の支持者には申し訳ないが、共産党の候補をさしおいてでも保坂氏が当選することが極めて重要である。そのことは、保坂議員と他の議員(どの議員でもよい)の働きを比較すれば歴然としている。小政党に属するがゆえに、かけもちで多数の委員会に参加することができ、そしてそれぞれの場で意味のある議論を行なえるという人材は、そうそういるものではない。


 東京では比例区には社民党、である。私のような場末のブログが書いても何も意味はないだろうが、しかしこれを多くのブログの書き手が言い出すようになれば、多少は、情勢に変化もあるのではなかろうか。私に賛同する必要などはない。ただ、個々の書き手が自らの信念に基づいて、保坂氏再選のための働きかけを行なうようになることを心から期待するのみである。