麻生政権のでたらめを許すな――金融機能強化法案をめぐって


 先日「麻生政権はもうダメ。民主党は自民党に手を突っ込んででも解散を促すべき」という題で書いたが、今朝の朝日新聞を見ると、既にそれに類する動きは政治家の間で進行中だとのこと。自民党の議員から17人以上離反者が出れば、与党の議席数が全体の3分の2未満になって、再議決という奥の手が使えなくなる――これを考慮に入れて今自民党の若手政治家たち(と言っても、それほど若くないが)は動いているのだとか。さすがに政治家たちは馬鹿ではないようである。


 ところで、先日の予算委員会の審議などでも麻生首相は金融機能強化法の早期の採決を求めていたが、ここでもまた、政府・与党の出す法案・政策のひどさを思わずにはいられない。


 既に周知のように、金融機能強化法の政府案には農林中金新銀行東京への資本注入を可能にする条項が盛り込まれているとのことで、当然ながら、税金のこのような無駄遣いは断じて認められない。民主党は「金融機能強化法改正案の論点」という文書を発表しており(このページから見ることができる)、その中で、新銀行東京への資本注入に反対し、かつ農林中金の場合については「改めて国会の議決が必要」だ、かつ「その際には、歴代農林水産省事務次官が継続的に就任している理事長の処遇(給与、賞与等)情報の開示」が必要だ、などとしている(民主党のこのスタンスなどについては、このブログのページが要領よくまとめている)。極めて当然の要求であり、民主党は、これらの点で政府案に対して実にまともに反対しているのだということを、国民によくよく知らしめるべきだろう。


 そして問題なのは、その理事長の処遇情報についてである。不覚にも私はつい最近まで知らなかったのだが、農林中金の理事長は代々農水省事務次官天下りで就任しており、そして理事長の報酬は年間4100万円だとのこと(典拠としてとりあえず「はてなブックマーク」を掲げておく)。べらぼうに高額だと言わざるをえない。アメリカの経営者の報酬の水準には及ばないかもしれませんが、もともとアメリカはイカれているのであって参考にはならない。いずれにせよ、これだけ高額な報酬をもらっておいて経営に失敗し、しかも政府から資金注入を得るなどということが、あってよいわけがない。


 どさくさにまぎれてこういう悪法が成立してしまうことのないよう、我々は監視を続けていかなければならない。また、民主党など野党は、国会対策その他の理由で正論を曲げることのないようにしてもらいたいものである。