実にふざけている厚労省の役人/麻生政権の存続=政治空白の継続


 今日は2つのことについて書くことにする。1つ目は朝日新聞の次の記事についてである。

私のしごと館」2010年に廃止 厚労省
2008年12月1日13時29分


 厚生労働省は1日、独立行政法人雇用・能力開発機構」が管理する職業体験施設「私のしごと館」(京都府)を、現在の民間への運営委託期限の10年8月末で廃止する方針を決めた。ただ、政府の一部には委託終了を待たずに廃止を求める声もあり、正式な廃止時期は年内に政府が決定する。


 厚労省はこの日の有識者検討会で廃止方針を示し、了承された。当初は国庫負担を減らしながら事業を存続させる道も探ったが、政府の有識者会議の強い意向を受け、廃止せざるを得ないと判断した。


 ただ、建物の取り壊しには約29億円かかるため、廃止後も建物は残し、民間に売却・賃貸するなど有効な活用策を検討する。


 03年に開設された私のしごと館は、581億円の建設費や毎年10億円以上の国費の投入が無駄遣いだと批判され、政府の昨年末の整理合理化計画で「民間委託したうえで、1年以内に存廃を含めて在り方を検討する」と決定。


 厚労省有識者検討会で議論を続け、今年9月に民間委託を始めたばかり。一方、政府の行政減量・効率化有識者会議は同月、廃止すべきだとの方針を打ち出していた。

 忙しい世人は見出しだけ読んで「ようやくあの無駄遣いの象徴が廃止か」と思うかもしれないが、そう思ったら役人の思うつぼである。


 この話がひどいのは、もともとどうやっても無駄だとわかっているものを「民間委託したうえで、1年以内に存廃を含めて在り方を検討する」ことにしてしまい、しかも、今回の発表をする直前に民間委託をしてしまった(どうやら2年間の契約で委託したらしい)、というところにある。こんな施設は一刻も早く閉鎖し、解消してしまうに限る。


 もちろん、それだけでは済まない。そもそも、こういう馬鹿げた施設を作ることを考案した官僚及びそれを認めた当時の大臣・政務官など、及びこの施設に関連して天下りをするなどして私腹を肥やした官僚ども、そういう連中の責任も問われなければならない。どうしてこんな無駄を行なってしまうことができるのか。責任者たちをしかるべく処罰することなくして、どうしてこういう愚挙の再発を防げるだろうか。


 できるものなら、この件に関係した官僚・政治家には、この件で国家財政が蒙った損失を私財を以て穴埋めしてもらいたいものである。もちろん、現状ではできないのだろうが、そのような現状こそが今の政治に対する不信感の根本にあることを、政治家(特に与党の政治家)は肝に銘じるべきである。


 それにしてもつくづく、厚労省の役人は悪辣極まると言わざるをえない。厚労省に対する批判は、先般の厚生省事務次官経験者宅連続襲撃事件とは無関係に、今後とも引き続き行なわれなければならない。



 もう1つ書きたいことがある。それは何かということだが、今の政治状況について衆議院議員江田憲司氏が極めて適切な評言を書いているので、それを引用しておきたいと思ったのである。すなわち、江田氏は自らのブログ記事で次のように言っている

2008/12/01
「座して死を待つのか!? 自民党


 度重なる失言と朝令暮改で、麻生首相の正体がやっと国民にも見えてきたようだ。私が政権発足当初、「今日から麻生政権打倒に立ち上がる」と「直言」した時に、首をかしげていた人もさすがにその意味がわかってきたのだろう。そして最近は、身内の自民党議員さえもその不明を恥じだしたようで、党内もガタガタしてきた。


 繰り返し言う。今、日々起こっていることは、私が、麻生太郎という政治家についてこれまで指摘してきたことが現実になってきたにすぎない。経営通、経済通でもなければ、定見も政策もない、首相になって何をしたいのかもない、ただ、首相という地位を一日も長く楽しみたいだけの、国民不在の、バラマキ型の旧態然とした政治家を首相にいただいている不幸。この政権を続けることこそが「政治空白」なのだ。

 強調したいのは最後の言葉であり、すなわち麻生政権は、それが存続すること自体が政治空白である、ということである。全くそのとおりと言わざるをえない。「経営通、経済通でもなければ、定見も政策もない」。おまけに漢字は読めない、と来ている。麻生は馬鹿である、国の恥である。この自明なことを今や多くの国民が理解するに至っているのに、なぜそのような愚物が一国の総理大臣を続けていてよいだろうか。


 麻生政権はそれ自体が政治空白である。そのことは、今回臨時国会の会期が延長されたが、しかしそこで話し合われるべき法案(すなわち第二次補正予算案)がなく、他方で自民党は、金融機能強化法に関する野党の修正要求(つまり、議論を求める声)を無視し続けておいて、野党に採決を求めるばかりであるという。会期の延長がさらなる政治空白を生み出しているのであり、そのこと自体が、麻生政権がそれ自体政治空白であるということを立証している。


 麻生太郎は直ちに首相を辞めるべし。このような声を国民がそれぞれの場から上げていく以外に、今の政治状況を変えるすべはないのではあるまいか。