自民党の起死回生策


 自民党総裁選という名の猿芝居は、4匹で打ち止めかと思ったらまだまだ出てきて、枯木も山のにぎわいの観を呈しつつある。ただ、ケツの青い猿どもが出てきた関係でメス猿が舞台から落っこちそうだという話もあるようで、最終的な演者の人数(サル数)は未だ確定していない。――とはいえ、この三文芝居につき合うつもりは当方には全くない。あほらしすぎだからである。


 ここで書きたいのは、極めて真面目な意味での自民党の起死回生策であり、そんなものがあるかどうか、ということである。私見によれば、1つだけある。既に政治評論家の森田実氏が書いておられるとおりなのだが、――上記の猿どもではなく――まともな政治家(人間)を総裁に立てることがそれであり、そのまともな政治家とは加藤紘一氏である。8年前の加藤の乱の際、決断の時となった夜に都内の居酒屋が閑散となる、それくらいに国民は加藤紘一の動向に注目していた。この注目度の高さの少なくともいくばくかは、加藤紘一という政治家個人への人々の期待に由来していたと思われる。もちろん、ずっこけてしまった後では加藤氏の人望はいったん地に落ちたと言ってよいが、しかし、政策への精通度から見て、また、個別政策の知識に還元できない見識という点から見ても、加藤氏が他の政治家たちの中で群を抜いていることは今でも変わりない。そのことは例えば、氏のWebサイトのこのページに書かれていることを一瞥すれば納得がいくだろうと思う。同じページの情報からわかるように、氏は現在中国を訪問中であり、胡錦濤国家主席などとの会談が予定されているという。日中友好協会の会長という肩書での会談ということだが、下にも置かないこのもてなしぶりは、加藤紘一という政治家に対する中国側の評価とも無縁ではないだろう。


 しかし、幸か不幸か、加藤氏が自民党総裁になる可能性はまずない。なぜなら、今の自民党の中枢にはあのサメ脳がどっかと腰をおろしているからである。今回の福田も前回の安倍も、はたまたその前の小泉も、皆サメ脳とツーカーの仲だったようであり、しかもこのサメ脳は、元首相でありながら、大連立のためにナベツネの「ガキの使い」までやっている。実に哀れむべき(はっきり言えば、単に馬鹿な)政治屋である。サメ脳はここ数年の政治のあらゆる場面にあのデカいツラを出してきている。実は日本の政治のガンはまさにこのサメ脳なのだが、幸か不幸か、自民党にはこのガンを切除する自浄能力はないようである。


 したがって、総裁選では雑魚役者どもによる猿芝居が続くだけであり、よって、自民党には起死回生の芽はないと考えざるをえない。


追記
 福田首相の辞任は中国ではこういう形で受け止められているようである。記事の見出しとリンクを掲げておくことにする。
「のび太くんがかわいそう」――福田首相の辞任惜しむ中国:NBonline(日経ビジネス オンライン)
「かわいそう」とは私の考えでは全くないので念のため。しかし、福田をこういうふうにいじるいじり方があるとは思わなかった。