いわゆる「つなぎ法案」の問題性
昨日たまたま予算委員会審議を聞く機会があり、その中で民主党の細野豪志議員が「つなぎ法案は財政法違反ではないか」と問いただしているのを聞いた。つまり、平成20年度予算の一部を成す暫定税率部分について先に決めるのは、歳入歳出を一体として審議するべきとする予算審議のあり方を定めた財政法の規定(14条、16条。末尾に引用)に違反するのではないか、というのが細野議員の主張である(2008年1月28日のビデオライブラリの細野議員の持ち時間の35分あたりから、この点に関するやりとりが見られる)。
これは極めて正論と言ってよい主張なのではないかと思われるが、残念ながら今朝の朝日新聞の政治記事では、国会審議のやりとりの記録の中で言及はあったものの、記事として取り上げられてはいない。つまり、新聞を読んでいただけではこういう問題はわからない、ということである。
細野議員の質問に関連して思うことだが、果たしてこれまでにこういうつなぎ法案は存在したのだろうか。そしてもし存在したのだとすれば、その法案が議論された当時に同様の法律論上の問題が議論されなかったかどうか。
いずれにせよ、つなぎ法案にはまず法手続き上の問題がある可能性がある、ということである。そしてもちろん、つなぎ法案は、国会での審議を形骸化するものであり(与党の多数を頼んで、再議決によって決めてしまおうというのだから)、その意味でも極めて問題的である。
以下は財政法の引用。
財政法
(昭和二十二年三月三十一日法律第三十四号)
(前略)
第三章 予算
第一節 総則
第十四条
歳入歳出は、すべて、これを予算に編入しなければならない。
第二節 予算の作成
第十六条
予算は、予算総則、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為とする。