ポピュリストを支持するべからず


 自民党が来たる大阪府知事選の候補として橋下という弁護士を担ぎ出そうとしているらしい。これを伝えている朝日新聞の記事のリンクはこちら(末尾に引用しておく)。


 この橋下という弁護士については本ブログでも過去の記事で触れたことがある。一言で言えばポピュリスト弁護士である。


 ポピュリスト弁護士というのはそのまま形容矛盾であることを、もっとよく日本人は理解するべきだろうと私は思う。確かに司法でも裁判官の合議の際に多数決が使われることがあるが、しかしそれは条理を尽くした議論の末での話であり、そもそも理にかなった議論でなければ、司法の場において通用することはないし、あってはならないのである。ところがこの橋下という弁護士がやったのは、(過去記事を読んでもらえればわかるように)大衆を動員して裁判に影響を与えようとすることであり、司法において最も重要なものである理性の支配をないがしろにしようとしたものだと言わざるをえない。橋下という弁護士は弁護士失格なのである。そのような輩が権力を握ることは極めて危険であり、絶対にあってはならない。


 言うまでもなく、このような輩を担ぎ出す自民党は厳しく批判されるべきである。まかり間違っても民主党はこのような候補を相乗り推薦などしないよう、心から希望したい。


 記事の引用は以下のとおり。

自民、橋下弁護士擁立へ 大阪府知事
2007年12月05日06時08分


 来年1月27日投開票の大阪府知事選で、自民党は4日、大阪弁護士会所属の橋下(はしもと)徹弁護士(38)を擁立する方針を固めた。本人も了承しているといい、今月中に記者会見を開いて正式発表する見通し。自民党公明党と連携し、橋下氏を推薦する方向で調整しており、民主党にも同調を呼びかける構え。ただ、民主党内には独自候補擁立論も根強く、民主の動向次第では11月の大阪市長選に引き続き、激戦になる可能性が出てきた。


 橋下氏をめぐっては、自民党大阪府連幹部と党幹部が連絡をとりつつ、水面下で慎重に調整を進めてきた。同党は「告示まで1カ月あまりしかない。橋下氏はテレビ出演などを通じ、知名度が高く、無党派層からの支持も期待できる」(党府連幹部)としている。


 自民はこれまで、公明と足並みをそろえながら、民主との3党相乗り候補を模索してきた。大阪市長選で民主推薦の候補者に敗れ、総選挙を前に2連敗は避けたいとの思惑があった。民主も、独自候補に自民、公明両党が相乗りしてくることは拒否しない姿勢を示していた。


 だが、3選出馬の意向を示していた太田房江知事が3日の緊急記者会見で出馬を断念。自民、民主、公明3党が相乗りを視野に候補者選びを進めていることに批判の声も出始めている。自民は民主が同調しなくても、自民、公明両党で橋下氏を推薦する方針。


 橋下氏の公式ホームページによると、同氏は東京都出身。大阪府立北野高校、早稲田大学を卒業後、97年に弁護士登録した。テレビ番組に多数出演し、大阪市長選でも自民党の独自候補として名前が取りざたされていた。


 府知事選にはこれまで、共産党推薦で弁護士の梅田章二氏が無所属で立候補を表明している。


追記(12月13日)
 12月5日の記事の後、ひと悶着があった後、結局この橋下という輩は大阪府知事選に立候補することになったようだ。大阪府民が良識を発揮して、こういう輩を当選させないことを願うのみだが、本ブログの過去記事で触れた懲戒請求について、有名ブログ「きっこの日記」の12月12日の記事によると、橋下自身は何と懲戒請求をしていないのだそうである。他人をけしかけておいて自分は何もやらないという、有言不実行の極みであり、まことにけしからぬ話である。橋下とやらの人品(のくだらなさ)を理解させるためにも、この輩について語る際にはこのエピソードを必ず添えるべきである。