福田首相? ――日本は民主主義国家なのか?


 福田首相実現の勢い、だそうである。記事はこちら。備忘のため一部引用しておくと

 自民党総裁選が14日告示され、元官房長官福田康夫氏と幹事長の麻生太郎氏が立候補を正式表明した。安倍政権に批判的だった勢力に加え、津島派伊吹派なども新たに福田氏支持を決めた。各派閥が福田氏支持に雪崩を打つ中で、麻生氏がどこまで支持を拡大できるかが焦点だ。津島派の総会で立候補の意向を示した財務相額賀福志郎氏は、派内をまとめきれずに立候補を断念し、福田氏支持を表明した。15日に立候補を受け付け、23日に投開票され、同日の両院議員総会で第22代総裁が選出される。


 14日午前、東京都内で開いた町村派の臨時総会で、会長の町村信孝外相は「福田氏を次の総裁候補に全力で押し上げていきたい」と語り、拍手で了承された。これを受けて、福田氏は「平時ならやらない。平時じゃないからやらなければいけない。まさに緊急事態だ」と立候補を表明した。


 これに先立ち福田氏は、党本部で古賀、谷垣、山崎各派の会長である古賀誠谷垣禎一山崎拓各氏と会談。谷垣氏ら3人はそれぞれ「地方の再生」「生活の重視」「アジア外交の重視」などの基本政策を提言した。これに対し福田氏は「ほとんど同感できる。これからもみなさんと相談しながらやっていきたい」と語ったうえで推薦を依頼した。


 会談後、福田氏は記者団に「基本的な考え方で一致した」と説明。3派はそれぞれ、福田氏支持を確認した。

麻生は幹事長になったばっかりに大魚を逃しつつあるようである。ご愁傷様と言うべきかもしれないが、しかしまあ自業自得ではあろう。


 それにしても、一体日本は民主主義国家なのだろうか。福田首相になれば、たぶん日本初の親子首相というケースとなろう。もちろん、そうでなくとも麻生首相となるなら、ボケ阿呆坊ちゃんの安倍に続いて祖父−子首相というケースになるわけだし、さらに世襲政治家かどうかということでこれまでを顧みるなら、小泉然り、(サメ脳は違うらしいが)小渕然り、橋本然りである。これは一体何なのか。


 こう書くと、「アメリカだってブッシュ親子がいるじゃないか」という輩がいるかもしれない。言うまでもないかもしれないが、今どき「アメリカがどうだから日本も同様でなければ」といった論法を使う人間の知性が極めて疑わしいものであることは、論を俟たないだろう。むしろ、アメリカにかこつけて何か言われたなら、その反対を考えることこそが真理への近道かもしれないのである。


 福田首相かなどと騒ぐメディアが実に空々しく思える――でもそう言えば、テレビなどのメディアでは縁故採用が横行しているという話もあったか。メディアにおいて世襲とまで行っているかどうかは知らないが、同じ穴のむじなではあるのかもしれない。世襲政治家を一掃するためには、政治を変えるだけでなく、メディアをも変えることが必要なのだろう。


 本当に、議員の世襲は政治から駆逐されなければならない。