安倍自民党政権が存続すれば、泣きを見るのは若い世代

 別に新しい特ダネがあってこう書いているわけではないが、突き放して安倍政権を眺めてみれば、表題に書いたことは誰にでも容易に理解できる、見てとれることなのではなかろうか。



 安倍自民党政権が存続するとどうなるか。まず経済については、本ブログでもこの記事この記事で書いたが、安倍政権は今の日本にあって成長重視という間違った経済政策を進めようとしている。もちろん、経済成長が必要なことは言うまでもないが、それは安倍政権が目指そうとするような、賃金低下を伴う、或いは賃金を低く据え置いての、経済成長路線というようなものであってはならない。しかしながら、安倍政権はそのような成長路線を進もうとしている。これは、年長世代に対してよりも若い世代に対してより厳しい影響を与えるだろうと思われる。



 安倍政権が集団的自衛権の容認を目指しているのは周知のとおりである。これは海外への派兵に道を開くことである。こう書くと、「しかし国連のPKOに参加するのなら、海外に自衛隊を送ることだって良いのではないか」などという反論があるかもしれない。しかし、集団的自衛権とは、そのようなことを指すのではなく、軍事同盟との相手とどうつき合うかという問題なのであり、具体的に日本の場合はその相手はアメリカである。つまり、集団的自衛権の容認は、アメリカが行なう自衛戦争に日本も軍隊を送るということを意味するのであり、それ以上でもそれ以下でもない。アメリカが遠く離れた中東のイラクに対して「自衛戦争」を行なったことは、ここで改めて言うまでもない。


 だとするとどうなるか。今アメリカはイラクへの対軍事攻撃の後始末ができずに、兵力不足に陥っている。このアメリカに日本が付き合うようになれば、−−もちろん日本は世界で大いに反感を買うようになるだろうが、それだけでなく−−海外に送るべき兵士が足りないなどという事態も出来するかもしれない。そうなった場合、日本でどのようにして自衛隊員を確保するか。一つには、(アメリカの場合と同様)若者を低賃金で働く環境を作っておくことによって、自衛隊を相対的に魅力的な職場にすることによって、だろう。そしてもう一つの可能性は、徴兵制である。いずれにせよ、集団的自衛権の容認の先に待っているのは、より多くの若い世代が兵隊にされるということである。



 安倍政権が教育改革にご執心なのは周知だが、その際の眼目の一つが愛国心であることもまた周知と言えよう。その愛国心は何のためか。言うまでもなく、国民を戦場に送り出すことをより容易ならしめるためなのである。ネット右翼の多くはヴァカ者たる若者たちではないかと思われるが、彼らは、もし少しでも知性があるのなら、靖国神社は自分たちを死なせやすくするためにあるのだということに気づくべきだろう。



 また、安倍政権の教育改革のもう一つの柱は、教師のより多くを上に対して従順なイエスマンに仕立てることだと思われる。でなければ、教師を締め上げる形での教育改革を指向するわけがない。ところが、既に本ブログのこの記事で指摘したように、教育というのは本来全人的な営みなのであり、上ばかり見るヒラメ先生では務まらないのである。教師のそのようなヒラメ化によって最も被害を受けるのは誰か。言うまでもなく子どもたちである。若い世代の中の最も若い世代が、安倍政権の存続によって被害を蒙ることになるのである。



 最後に一言。今日のテレビのニュースを見ていて気がついたが、近づく選挙を前にして、安倍が強い指導者を演じ始めたようである。やたらと声を上げて、力んで話をしている。2005年には多くの国民が、決然たる指導者を演じた無能な小泉にだまされたが、今年は多くの国民が安倍にだまされるのだろうか。そうであってほしくないから、私自身はこうして書き続けているのだが。