松岡農相の死の原因をうやむやにしてはならない

 メディアの報道がおかしいことは今に始まったことではないが、今回もまた改めてそう思わざるをえない。現職大臣が自殺したという前代未聞の話を前にして、なぜその自殺の理由・原因を問うことが行なわれないのか。当然、問われなければならない。


 私が知るのは、わずかに評論家の立花隆氏が「メディア ソシオ-ポリティクス」 で書いている次の記事のみである。これによれば、松岡農相が現職の大臣が収賄で逮捕となれば安倍政権が持たなくなるので、しかし他方で、松岡農相が辞めたくとも辞めさせてもらえる状況にないので、そして松岡氏は安倍によって初めて大臣にしてもらったために安倍に対して非常な恩義を感じていたので、それで松岡農相は自殺を選んだ、という話になるようだ。これが正しいかどうかは、さらなる捜査ないしは調査報道によって必ずや明らかにしてもらわなければならない。政治家が億単位の収賄を行なうなどということはあってはならないし、もし万一そういう事実があったなら、関係者がしかるべく処罰されなければならないからである。


 死んだ人間のことを蒸し返すのは良くない、などという風潮はどこから来るのか。そのような風潮は、少なくとも公人たる政治家については徹底的に払拭されねばならない。おかしいことはおかしいと言い続けなければならない。