Trackbackに関して天木直人氏を批判した理由

(以下敬称略)
 前日づけの記事で、Trackbackに関して天木直人(のブログ)の姿勢をかなり強く批判した。その冒頭で断ったように、これは天木氏のためを思ってのことだったのだが、なぜそう言えるか。理由は、この記事をお読みいただければわかるだろうと思う。


 今の日本ではインターネット上で選挙運動を行なうことはできない(ここで言う選挙運動とは狭義での選挙運動であり、つまり誰それに投票してくれと依頼することを指している)。したがって、候補者は、またその候補者を擁する政治団体は、告示日以降はインターネット上で発信をすることができず、候補者のサイト或いは当の政治団体のサイトは告示日以降はサイトの更新ができないことになっている。本来ならば告示日以降にこそインターネット上での活動を最大限に行ないたいところであるにもかかわらず、である。もちろん、選挙を規制する公職選挙法のこのようなあり方は全然おかしいのだが、しかし悪法もまた法、それが現行の法である限りはこれに従わなければならない。


 しかし、ではインターネット上では全く何も活動ができないかというと、決してそうではない。この春に行なわれた都知事選の関連で、本ブログは告示日以降も(というよりむしろ、告示日以降にこそ)都知事選関連の記事を載せ続けており、そしてそれは何ら問題がなかったようである。それが問題がなかったのは、一つには、もちろん、場末の本ブログでものを書いても大勢には影響しないからだろうが、しかしそれだけでなく、書き方の面でも問題がなかったからでもあろう。つまり本ブログでは、支持する候補者の名前(具体的には、浅野史郎氏)は告示日より遥か以前に明確にしておいたのだが、告示日以降はもっぱら、対立候補たる石原都知事を批判するという形で書き、浅野氏についてはその動静について触れるにとどめ、浅野氏をあからさまに応援することをほとんどしなかった。そのため、選挙違反などということに無縁でいられたのではないかと思う。


 なお、告示日以降ブログを書き続けるに当たって参考になったのは次のサイトである。
ネット時代の勝手連と公選法
幸い今でも開設されているようなので、来たる参議院選挙において自らのブログを活用しようと考えておられる方は、ぜひ参考にされると良い。


 そこで、天木直人の選挙についてである。言うまでもなく、天木氏のブログも、また氏を応援する9条ネットも、またその9条ネットのブログも、告示日以降は更新を停止しなければならなくなるだろう。しかし、選挙戦は告示日以降にこそ本格化する。であれば、告示日以降にインターネットを使えるようにするにはどうしたらよいか。言うまでもなく、天木氏の支持者ないしは賛同者が、選挙運動にならないような形で(例えば安倍政権批判という形で、或いは、天木氏に限らず護憲を掲げる候補者たちに注目するという形で−−そのほかにも、様々な形が考えられよう−−)、ブログを書き続ければよいのである。


 しかし、そのようなブログを探すにはどうしたらよいか。最も良いのは、ほかならぬ天木氏のサイトに、そういったブログへのリンクが掲げられていることである。というのも、天木氏の言行に関心がある人がインターネット上で第一にするであろうことは、天木氏のサイトにアクセスすることだろうからである。そして、そのようなリンクは、天木氏のサイト上で「リンク集」というような形で掲げられてももちろんよいだろうが、しかしそのような手間をかけずとも、Trackbackが受け付けられていて天木氏のサイト上で表示されるようになっていれば、そのTrackback自体が言わばリンク集の機能を果たすのである。天木氏を応援する立場にある私が、あえて天木氏を批判してまでTrackbackの受け付け・受け入れにこだわるのは、この点があるからである。


 天木氏も、また天木氏を応援する人々も、この点はよく考えるべきである。せっかくあるインターネットという武器を使わない手はないのだから。