選挙の戦い方を知らない天木直人

 本ブログでは「特設リンク」と称して、「天木直人のブログ」と、その天木直人比例区で担ぎ出す政治団体である「9条ネット」(例えばその関連のブログの一つはこれ)とへのリンクを、かなり目立つところに設置することにした。その事情をとやかく説明する必要はないしそのつもりもないが、一応応援のつもりで掲げているのである。である以上、応援する当の相手について、多少ケチをつけることは許されるだろう。相手のことを思って、良かれと考えるところからの叱責なのだから。


 天木直人のブログを見た人であれば誰でも気づくことだろうが、Trackbackという欄があるものの、実際に天木直人のブログの記事へのTrackbackがついているのを私は見たためしがない。あれはいったい何なのか。


 自分の書いた記事について他人からの批評は聞きたくないとでも言うのだろうか。それとも或いは、潔癖症か何かで、他人のブログへのリンクが自分のブログの中につけられることがいやなのだろうか。いずれにしても、政治家の姿勢としては全く不適当である。


 他人の批判にさらされることを通じて自らの考えを鍛えてこそ、政治家として人々に訴えていく強靭さを具えることが可能となるはずであるし、また、選挙においては少しでも多くの人に自分に対する関心を持ってもらうことが不可欠である。自分のブログの中に他人のブログへのリンクがつくことを拒否しているようでは、自分のやっていることに対する関心を大勢の人にもってもらうことは、到底おぼつかないだろう。孤高をてらうのも、政治家になろうとする者としておよそふさわしい態度とは言えない。Trackback (0)という表示は、天木直人が政治家として自らが不適格であることを無言のうちに語っている、と評してよいのではないだろうか。天木氏は直ちに考えを改めて、Trackbackを受け付けるようにするべきである。もしくは、Trackbackなど受け付ける気が全くないのなら、そもそもそういう表示が出ない体裁へとサイトを改めるべきだろう。


 言うまでもないが、この記事からは、天木氏のブログの同日(5月31日)の記事に向けてTrackbackを発信しておくことにする。本記事が天木氏のブログのTrackbackの欄に出てこないようであれば、天木氏はTrackbackを拒絶しているのだと考えて間違いあるまい。


 もう一つ、政治家は短い時間の間に自分の言いたいことをきちんと言えるように日ごろから訓練を積まなければならない。例えば3分、或いは5分という時間で話せることを、自分の言葉でよく練って持ちネタとして持っておくべきである。そして、このことは文章についても言える。だらだら書いていては話にならない(お前が言えた義理か、と言われるだろうが)。自分の文章が他人に読んでもらえるなどということは稀なことなのであり、他人は俺様の書いたものを読むものだなどというおごりは、捨てなければならない。そして、他人に読みやすいように、自分の文章の体裁を整えるのでなければならない。このような観点から天木氏のブログを見た場合、とてもではないが及第点とは言えない。


 引用を行なう場合に、どうして、引用符をつけるなり、或いは引用文をそれとわかるように際立たせる工夫を使うなりしないのか。なぜ、読みやすさを考えた結果インターネット上で一般的なものとして定着している「改行後一行開ける」という慣行に従わないのか、等々。遺憾ながら、天木氏にはお山の大将的な面が見え隠れする。それは氏の魅力の一部でもあるが、しかし氏の大いなる欠点でもあり、私の見立てでは、それの欠点としてのマイナスの方が魅力としてのプラスを遥かに凌駕している。「俺がやる」は大いに結構、そうでなくてはならない。しかし一方で、自分の文章を読みやすくする工夫はどんどん取り入れた方が良いだろう。
(文中敬称略)