安倍政権の支持率が上昇する理由(続き)

 昨日の続きを書くが、その前にメディアの記事をもう一つ引用しておくことにする。

内閣支持率、43%に回復 本社世論調査
2007年05月15日01時04分


 朝日新聞社が12、13の両日実施した全国世論調査(電話)によると、安倍内閣の支持率は43%、不支持率は33%だった。4月の前回調査(支持40%、不支持38%)と比べ不支持の低下が目立つ。今年に入って低迷していた内閣支持率は前回調査で上昇に転じ、今回、不支持との差をさらに広げた。
 男性の支持が、前回の36%から今回は44%に上昇したのが特徴だ。女性の支持は42%で、昨年9月の内閣発足以来初めて男性の支持が女性を上回った。
 すべての年代で前回より不支持が減り、30代を除く年代で支持が多数となった。無党派層の支持は27%で横ばい。
 政党支持率は自民33%(前回31%)、民主14%(同14%)などで、無党派層は45%(同46%)だった。

本ブログの昨日の記事で引用したNHKの世論調査が偏向したものだとは、どうも全く言えないようである。安倍政権に対して批判的な者にとって、事態はますます深刻だと言わざるをえない。



 今の日本人の政治意識のありようについて、まず一つ思うのは、政治に対して持続的な関心を持つ人々が少なくなってきているのではないか、ということである。そして、一見これと矛盾するように見えるかもしれないが、政治に対して瞬間的(一時的、ではなく)な関心を持つ人々は、ひょっとすると増えてきているのかもしれない。ここで言う「瞬間的関心」とは、そのつどそのつどの報道によって瞬間的に惹起され、そしてそのすぐ後に瞬間的になくなる(或いは急激に低下する)、そのような関心(のあり方)を指す。


 例えば今回多数の力で無理やり可決・成立してしまった改憲手続法について言えば、憲法改正のための手続きが整うこと自体は、改憲に賛成であれ反対であれ、悪いことではないのではないか、と。そういう考えから報道を見れば、審議をもたもたやっているのはまどろっこしいということになるのかもしれない。特に民主党は対案を出しており、改憲手続法という性格の法律を制定すること自体に対しては否定的でないようだが、にもかかわらず国会審議の引き延ばしを図っているように見える、と。しかも、私の見るところでは、メディアは民主党の優柔不断さ、民主党内部の不統一ぶりを伝えることに大変熱心なようである。こうなると、与党はまだしも、民主党は何をやっているんだ、ということになるのではなかろうか。


 言うまでもなく、「瞬間的関心」に基づくこのような見方に対しては、さまざまな仕方で批判が可能である。しかし、一度に長々と書いても仕方ないので、今日はこのくらいとしておく。