なぜ安倍政権の支持率が上がるのか? どうしてそんなことがありうるのか?

 良く見る番組である「マル激トーク・オンディマンド」について他の記事でケチをつけたところ、批判的なコメントをいただいた。例えば私が、今の政治で「一番問題なのは、与党のそのような暴挙に対してマスコミを始めとして国民がさしたる反応を示しておらず、むしろそれを黙々と受け入れているかのごとくに見えることである。このような由々しき状況は、1度でなく数次に分けてさまざまな角度から分析をするに値する、深刻な状況であるように私には見える」と書いたところ、そのような理解は当たっていないとするコメントがあった。


 別に私の憂慮が正しいということを喜びたいわけでは少しもない。しかしながら、こういうニュースが目に入った。

NHK世調 内閣支持率50%

NHKは、今月11日からの3日間、全国の20歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行いました。調査の対象になったのは2030人で、このうち58%にあたる1184人から回答を得ました。それによりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は、先月より6ポイント上がって50%となり、ことし1月以来4か月ぶりに50%台となりました。一方、「支持しない」と答えた人は、3ポイント下がって34%でした。安倍内閣を支持する理由では、「ほかの内閣よりよさそうだから」が35%と最も多く、次いで「人柄が信頼できるから」が31%などとなっています。逆に支持しない理由では、「政策に期待が持てないから」が39%、「実行力がないから」が26%などとなっています。また、安倍内閣に期待することでは、「年金制度改革」が26%と最も多く、「景気対策」と「教育改革」がともに11%などとなっています。次に、政府が集団的自衛権の行使をめぐる有識者の懇談会を設置したことに関連して、集団的自衛権の意味を知っているか聞いたところ、「よく知っている」が8%、「ある程度知っている」が36%、「あまり知らない」が34%、「まったく知らない」が19%でした。このうち、「知っている」と答えた人に集団的自衛権の行使についてどう考えるか尋ねたところ、「集団的自衛権が行使できるように憲法を改正すべきだ」が22%、「憲法の解釈を変えて、集団的自衛権の行使を認めるべきだ」が38%、「集団的自衛権の行使を認めるべきではない」が35%でした。一方、政府は航空自衛隊イラクで輸送活動を行うためのイラク支援法について、法律の期限を2年間延長する改正案を国会に提出しています。この改正案への賛否について質問したところ、「賛成」が17%、「反対」が40%、「どちらともいえない」が38%でした。
5月14日 19時12分


 なんなんだ、これは、である。調査日は今月11日から3日間、したがって、回答のうちの相当部分は、11日に国民投票法案が参議院の委員会で可決された(言うまでもないが、ろくに審議もされずに可決されたのである)ことを知った人々による回答だと思われる。ここへ来て与党が国会で暴走を続けている点については、こちらの記事で、民主党の平岡議員の今日の一言へのリンクをつける形で既に述べた。国会がそういう状況にあるのに、なぜに支持率が、低下して当然であり横ばいでも驚きなのだが、なぜに上がるのか。怒りのあまり憤死しそうである。


 理由として思いつくことが、いくつかないわけではない。それを以下、数日間に分けて書いていくことにする。マル激への感想の記事で書いたようなこと、つまり今の世相を検証することを、マル激に期待できない以上、結局自分の頭で自分なりに考えてみるほかないわけである。