実にふざけた話――なぜ最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票はすぐにできないのか?


 忘れないうちに書いておくべき話として、表題のことを記しておきたい。諸般の事情から期日前投票をしようと思っており、なるほど投票所入場券は極めて迅速に(私の間違いでなければ確か公示日当日である8月18日のうちに)送られてきた。そして期日前投票も翌19日から可能だとのこと。結構結構、と思っていた。


 ところが、である。よく見ると「最高裁判所裁判官国民審査は8月23日(日)から受け付けます」とある。つまり、今週(〜8月22日まで)の間は国民審査の期日前投票はできないのである。


 衆議院議員選挙はできるのに、なぜ最高裁判所裁判官国民審査はできないのか。私自身は来週の期日前投票もできなくはないので問題ないのだが、知人の中には今週中しか期日前投票ができない者がいて、これでは国民審査への一票は投じられない。これは実におかしな話ではないか?


 と思っていたら、ある筋から情報が入ってきた。「総務省選挙部選挙課」の話だそうである。それによると

記号式の投票用紙であるため、公示時点で対象となる裁判官が確定してから投票用紙の印刷にかかる。これを期日前投票の場所に確実に届けるには5日間を要する

のだとか。理由にならない理由とはまさにこういうものだろう。公示日直前に裁判官が死ぬことでも考えているのだろうか。そうであればその時には投票所にその旨の通知を出せば良いだけの話であり、その程度のことは印刷を遅らせる理由には全くなりえない。むしろ、期日前投票の期間を短縮することのほうが遥かに問題である。


 こういう屁理屈を理由にしているのなら、いっそこの機会に国民審査の投票方式を改めてはどうか。つまり、白紙にだめな裁判官の名前を書かせるのである。当然ながら、書く欄は人数分(今回は9人だそうである)用意されるのが良いが、これがまた遅らせる口実になるのなら、全くの白紙でも良い。


 とにかく、総務省よ、姑息なことはやるべからず。国民審査も総選挙と同様に重要な投票機会なのだから、当然、同様の長さの投票期間が与えられてしかるべきである。それにしても、日本の政府のやることは実にくだらないと、改めて思わせられた。