自民党・公明党の政治家に参議院を語る資格なし――今回の再議決をめぐって


 今回ガソリンの暫定税率の復活のための、3分の2による再可決(これ自体は1月の洋上給油再開のための再可決以来、今国会では2度目)には、56年ぶりになるのだという「否決みなし決議」が随伴している。要するにこれは、参議院の審議のための努力を(時間が来たから終わり、と言うことで)否定するものと言ってよい。


 このみなし規定自体は周知のように憲法第59条にあるが、あるからと言って使ってよいという話にはなるものではない。なぜなら、道路会計をめぐっては無駄使いに次ぐ無駄使いが次々と明らかにされてきており、このままの体制で道路関係の支出が行なわれ続けては良くないことは、明々白々となっていたからである。暫定税率を従前同様に復活させたことは、そのような無駄な支出にメスを入れる参議院側の努力を政府・与党が否定したことを意味すると言ってよい。


 自民党公明党の、特に参議院議員に言いたいが、あなたがたのやっている努力は、他でもない自分たちの所属する政党が衆議院で「否決みなし決議」を提出したことによって、「無意味だ」と言われたも同然なのである。自民党公明党所属の参議院議員は、それでも暫定税率の復活を喜ぶのだろうか。