今国会の焦点となる問題について


(1)テロ特措法
 これに関しては、ビデオニュース・ドットコムの「政策討論クロストーク 第4回(2007年09月27日)日本はインド洋への自衛隊派遣を継続すべきか」において、中谷元氏が言う政府・与党側の言い分を聞いたが、結局どういうことかと言えば、2001年の時点においてアメリカが、9.11の悲惨な出来事の後で激情に駆られて自衛権を発動しアフガニスタンを攻撃した、そのアメリカに何とか協力しなければということで、かつなるべく安全な協力をしたいということで、インド洋上での給油活動ということが決定されたようである。そしてテロ特措法は当時わずか1週間の国会審議によって成立したらしい。要するにアメリカへのお付き合いであり、そして次の点が重大な問題だが、その際政府・与党は、米国の自衛権の発動への後方支援が憲法の禁じる集団的自衛権の行使に当たるという点を全く等閑視し、ごまかしていたのである。今ちまたでは日本の給油活動によってもたらされたガソリンがイラク戦争に使われたのではないかという疑惑が語られており(これについてはこのページこのページを参照)、それはそれでもちろん重大だが、しかし、遡ってアフガニスタンに対する空爆にかかわった艦船に対して自衛隊が給油を行なったとしても、これも全くの後方支援であり、憲法違反なのである。


 とにかく、テロ特措法問題に関して重要なのは、法律を拙速に通すことでは断じてなく、これまでの活動の実態とその適法性の如何こそをまず明らかにすることである。政府・与党のいい加減さを見過ごしにしてはならない。


 なお、有名ブログ「きっこの日記」で給油活動に関して紹介されている内容は、愛川欽也パックイン・ジャーナルのWeb無料配信の部分で語られている内容と基本的に同じのようである。


(2)年金問題
 年金問題に関しては、ここへ来て、そもそも安倍政権の内閣改造の際に人気取り用に採用された舛添厚労相の化けの皮が剥がれつつあるようである。すなわち舛添は社会保険庁や市町村窓口での不正という小悪を叩くことに汲々としているが、年金制度におけるこれまでの数兆に及ぶ流用の実態を明らかにすることや、年金の照合と統合(データの照合とデータの統合との間に大きな違いがあることは既に本ブログでも触れたところである)がいつまでに完了させるのかといった、より根本的な問題に対しては何ら対策を講じていないようである。本当に、こと年金問題に関しては、今すぐにでも民主党の長妻議員を特命大臣にして入閣させて、同氏が主張している抜本的対策を行なってもらいたいぐらいである。年金制度への不信は国家への不信を意味するという氏の主張、全くそのとおりであり、今日本の政治は危機的状況にあるということを、福田内閣自民党は全くわかっていない。


 今週からいよいよ委員会審議が始まる。注目していきたいと思う。