マニフェストの意味

 都知事選に出馬予定の浅野史郎氏のWebサイトに「皆さまからの一言マニフェストを募集しています」という欄があったので、私もいくつか思いつきを書いて送ってみたが、できあがった浅野氏のマニフェストを見て、自分がマニフェストの意味をよくわかっていないことがよくわかった。


 つまり、「こういうことをします」「これはやめます」というだけでは従来の公約と何ら変わりないわけで、マニフェストと言うからには、「数値目標」、「期限」、「財源」、「工程表」が明示されていなければならないのだと。数字があり達成期限があるからこそ、後での政策評価の道具として役に立ち、画餅でない有意義なものたりうるわけである。政治について多少関心を持っていると言いながら、これぐらいのことをもよくわかっていなかった己れの不明を恥じるほかはない。


 ただ、不明を恥じなければならないのは私だけではないようである。すなわち、昨日各種テレビで討論を行なった都知事立候補予定者たち4人のうち、浅野氏以外については、自らの公約を「マニフェスト」と言っている言っていないにかかわらず、彼らの言っているのはマニフェストになっていないと言わざるをえない。リンクはこちら。
石原慎太郎http://www.sensenfukoku.net/policy/policy2007.html
黒川紀章http://www.kisho.co.jp/page.php/353
吉田万三http://www.ny.airnet.ne.jp/kakushin/pickup/2007tochiji/kaikaku_plan.html


 少なくともメディアは、この点をよく踏まえて、3氏にも真の意味での「マニフェスト」の提示を求めるべきではないだろうか。といっても、こういうことを今のメディアが理解できているかどうか、非常に心もとないのだが。


追記
 黒川紀章氏の上記のウェブサイトからは公約が消去されたようである。氏の公約は次のページで見ることができる。
http://www.kenchiku.co.jp/event/news070302.shtml